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ホンダジェットは初の世界一、MRJはまたトラブル。なぜこうも違う?

8/24(木) 7:38配信

ニュースイッチ

開発へのアプローチと体制が対照的

 ホンダの米子会社が製造・販売する「ホンダジェット」の2017年上期(1―6月)の出荷が24機になり、小型ジェット機市場で初めて世界一に立った。同機は最大7人乗りのビジネス機。15年末に納入を始めて以降、北米や欧州の企業トップら向けに順調に販売を伸ばしている。

 ホンダジェットは、ホンダの創業者・本田宗一郎氏の飛行機への憧れをかたちにすべく、30年にわたり開発が続けられてきた賜物だ。ホンダジェットの開発リーダーでホンダ エアクラフトの藤野道格CEOは、同機の開発の狙いを「それまでの小型ビジネスジェット機の限界性を超えて利便性や快適性を高めること」と話す。

 そこには、他社の既存機を真似ることはしない、という気概と、新たな市場を拡大していく決意が表れている。開発プロセスにおいて藤野氏は、スティーブ・ジョブズばりの「細部へのこだわり」を見せていたという。隅々にまで目を配り、部品一つ一つにまで神経をとがらせる。開発チームは少人数で、極力専門分化をせずに協働していった。

 一方、三菱重工業グループが開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」。2015年11月に初飛行に成功したものの、直後に完成機の納入予定延期を発表。その後も何度も延期になっている。22日にも試験機のエンジン1基が損傷し停止したことが分かった。試験機は急きょ目的地を変更して着陸した。MRJの試験飛行中にエンジンが停止したのは初めてで、同社は原因を調査している。

 こうした遅れやトラブルについて、同機の「国際分業」が原因ではないかという指摘もある。MRJは国産機ではあるものの、エンジンを含む各部品を海外メーカーに発注している。その調整と管理に時間がかかっているというのだ。

 一方、ホンダジェットはエンジンまでも内製化し、開発において専門分化を極力避けている。開発プロセスにおいてMRJとホンダジェットは対照的といえる。
 
 もちろん両者は機種や用途が大きく異なるので、単純に比較できないし、どちらの開発プロセスが正しいということではない。ただ、「人数が限られたプロジェクトで、いかに『革新』をつくり出し成果を上げるか」という点で、ホンダジェットの成功は格好のモデルケースの一つであることは間違いない。

最終更新:8/24(木) 17:35
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