ここから本文です

中・米貿易の摩擦問題、中国が握る「3つの切り札」

8/28(月) 20:20配信

CNS(China News Service)

【CNS】米国がこのほど、中国に向けて表明した米通商法301条による調査を開始したことは、世界1位と2位の経済大国の新たな貿易摩擦を生み出すことになるだろう。米国の表明を受けて中国商務部の報道官は21日、強硬な態度を示した。中国は、米国のこのような一方的、保守的な主義に基づいたやり方に強い不満を持っている。すべてにおいて適切な措置を取り、断固として中国側の合法的な権益を守る。

 中・米貿易摩擦が激化した場合、中国はどんな切り札を切ればいいのだろうか?

 1枚目のカード:米国製品の輸入を制限する。

 米国の中国に対する貿易依存度は決して低くない。中国側の統計によると、最近10年間、米国の対中輸出は年平均で11%増加している。同年の中国から対米輸出増加速度の2倍だ。米国の大豆62%、綿花14%、ボーイング社の飛行機25%、自動車17%、集積回路15%の輸出先は、すべて中国である。また米国の公式データによれば、中国は2016年、米国の農産物の第2位の輸出先市場で、農産物全体の輸出の15%を占め、米国の農民1人あたりが中国に輸出する農産品の金額は、平均で約1万2000ドル(約130万円)になる。

 このような状況下において、米国の農産品とハイグレード品に対する輸入に規制をかけることは、中国にとってひとつの切り札になりうる。貿易摩擦の影響などを研究するピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics)のマーカス・ノーランド(Marcus Noland)副所長は、CNSの取材に対し、「たとえば中国がアメリカの飛行機と大豆のみに対して輸入を制限したとしても、その影響は破壊的だろう」とコメントした。

 2枚目のカード:対米輸出を削減する。

 米国は現在、中国の最大の輸出市場となっている。家電、玩具、靴など各種コストパフォーマンスの高い「中国製品」は一般市民、特に中低所得者の生活に大きく貢献しており、この層はまさにドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が迎合しようとしている層である。

 米中貿易全国委員会(The U.S.-China Business Council)のデータによれば、2015年アメリカの一般家庭の年収入は約5万6500ドル(約616万円)。対中貿易によって、各家庭が毎年約850ドル(約92000円)を節約できている。経済コンサルタント会社のオックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)の統計によると、中国の低価格商品はアメリカの消費物価水準を1~1.5%引き下げている。

 3枚目のカード:アメリカ資産の持ち株を減らす。

 中国は5か月連続でアメリカの国債を買い続け、2017年6月に再度アメリカの最大の債権国となった。一度、中国がアメリカ資産の大規模な投げ売りを始めてしまえば、アメリカの金融の安定に影響をおよぼすことになるだろう。

 しかし否定できないのは、この3枚目のカードはアメリカの経済に打撃を与えると同時に、中国自身にも降りかかることも避けられないということだ。中国政府側もまさに繰り返し強調していることであり、「貿易摩擦には前途がなく、勝者もいない」。

 この中・米間で誰が最もこの貿易摩擦による痛手を被るのだろうか? 中国人民大学(Renmin University of China)重陽金融研究院(Chongyang Institute for Financial Studies)王文(Wang Wen)執行院長は、「長い目で見ても、中国経済の弾性および成長、発展における巨大な潜在能力によって、アメリカは更に悪い結果を被ることになるだろう」と述べた。

 中国商務部研究院国際市場研究所の白明亦(Bai Mingyi)副所長は、「中国の産業体系は世界でも唯一、主要国の産業カテゴリーの全分類が整っている国家であり、明らかな弱点が存在する一部の先進国とは違う。いちど双方で貿易上の問題で弊害がおこると、アメリカが被る損失は必ずしも中国より小さくなることはない」と考えている。

 「ウィンウィン」の関係を維持しつつ、アメリカは中国と共に努力していくことで、中・米の経済関係が健全に前進できる。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。