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旧・安田財閥の流れをくむステンレス鋼材卸、安田商事(福岡県北九州市)が自己破産申請へ

8/31(木) 14:11配信

帝国データバンク

 安田商事(株)(TDB企業コード810000623、資本金2000万円、福岡県北九州市八幡東区枝光2-7-7、登記面=北九州市八幡東区枝光2-7-3、代表中嶋孝一氏、従業員33名)は、8月30日付けで事後処理を石渡一史弁護士(福岡県福岡市中央区赤坂1-15-33、鴻和法律事務所、電話092-731-6402)ほか2名に一任、自己破産申請の準備に入った。
 
 当社は1948年(昭和23年)10月、旧・安田財閥の流れをくむ線材加工メーカーの八幡工場の販売部門を分社化する形で、東京都内に(株)三栄商会の商号で設立。63年2月に本店を北九州市内へ移転し、97年10月に現商号へ変更した。熱延・冷延などのステンレス鋼板をはじめ、丸棒、パイプ、アングル、チャンネル、H型鋼、平鋼といったステンレス鋼製品、チタン・アルミ・銅などの非鉄金属製品、鉄鋼製品を取り扱い、本店工場において曲げ・切断などの加工も請け負うほか、鋼構造物建築工事も行っていた。福岡市および大分市にも営業所を構えて業容を拡大し、2007年9月期には年売上高約56億1900万円を計上した。

 2008年に北九州市戸畑区に牧山工場を開設して加工能力を拡充したものの、リーマン・ショック後の景気悪化の影響に加え、同業者との競合激化もあって受注が低迷し、2012年9月期の年売上高は約38億5500万円にまでダウン。収益も低迷するなか、2013年6月には牧山工場を閉鎖して加工事業を本店工場へ集約するなどで合理化を図っていた。その後、売上高こそ増勢に転じていたが、収益は低調なままで資金繰りが悪化。2016年9月期には過年度における不適切会計の修正処理を実施したことで大幅な最終赤字を計上し、債務超過に転落したうえ、2016年12月には主力仕入先を譲受人とする債権譲渡登記が設定されるなど、動向が注目されるなか、今回の事態となった。

 負債は現在精査中。2015年9月期末時点で約26億4800万円(受取手形割引残、譲渡残を含む)だが、大きく変動している可能性がある。