ここから本文です

うんちを持ち歩く毎日......保育園で汚れたおむつの持ち帰り、なぜ?

9/1(金) 11:42配信

BuzzFeed Japan

保育士の負担は?

さらに、これは保護者の負担だけの問題ではない。おむつ替えの後、おむつを園児ごとに仕分けて保管する保育士の負担も大きいのだ。おおざっぱな計算で、おむつ替えが1人1日6~8回として、10人を2人の保育士でみていたとしたら、1人の保育士が1日30個以上の使用済みおむつを仕分けすることになる。

「1日数十回も紙おむつを仕分けしている保育士がいるということです。捨てるだけの対応にすると、仕分けの時間を子どもと接することに充てられます」(高崎さん)

衛生的には?

また、使用済みおむつを長時間、園内に保管しておくことによる衛生面の心配もある。

感染症対策に詳しい国立国際医療研究センターの看護師の堀成美さんは、おむつ持ち帰りの対応は、保育園など集団生活の場となる施設でのおむつ処理の原則から外れている、と指摘する。

「おむつは外したら、あちこちにおいたり複数の人が触ったりせず、その手でそのまま袋や回収ボックスに入れます。他のものを触る前に手を洗います。子どもが触ったりハイハイをしたりするようなところに使用済みおむつを仮置きしてはいけません。子どもの衣類など他のものと一緒にしたり、長時間保管したりしないような工夫が必要です」

「仮に下痢をしているなら、なおさら感染対策として、そのあたりに保管したり複数の人が触ったりする機会を増やしてはいけないというのが原則です」

子育ての不条理の象徴

「おむつを持ち帰る理由としてよく言われている、保護者による『便の状態の観察』ですが、保育士から連絡帳や口頭の説明でも足ります。自宅でも観察の機会はありますので、無理をしてまでしなくて構いません」

堀さんはこう話し、保護者や保育士の無駄な負担を減らすためにも、紙おむつの園内処理や、家庭には持ち帰らないレンタルの布おむつを推奨する。

高崎さんも、健康管理や愛情という名目で、保護者や保育士に負担がのしかかっていることを危惧する。

「おむつ持ち帰りのルールを決めているのは、汚れたおむつに直接、触らない人たちなんです。調べれば調べるほど、おむつ持ち帰り問題は、子育て世代や保育の現場が置かれている不条理を象徴しているように思えてなりません」

厚労省保育課によると、使用済みおむつの取り扱いについては、前出の感染症対策ガイドラインの「蓋付きの容器に保管」「保管場所の消毒」を示しているのみだという。園内処理か持ち帰りかは、各自治体や各施設の判断だ。

「感染症対策として、おむつの管理の仕方の指導であり、処理の仕方を示すことは特にしていません。ごみ処理や園の規模など、地域の実情に応じて工夫していただいています」

高崎さんは、このアンケートがおむつ持ち帰りルールの見直しにつながれば、と近くデータをまとめて公表するという。

Akiko Kobayashi

3/3ページ

最終更新:9/1(金) 11:42
BuzzFeed Japan