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「5号サイズ」禁止 モデルの健康守る高級ブランド

9/8(金) 13:27配信

ウォール・ストリート・ジャーナル

 【パリ】高級ファッションブランドを展開するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンとケリングは6日、モデルの酷使を防ぐための行動規範を発表した。トップモデルは「キャットウォーク」(観客席に挟まれた細長い舞台)に立ち、華々しいファッション誌を飾るため、過酷な労働条件を受け入れ、健康問題を抱えながら過度なダイエットに耐え忍んできた。

 こうした問題を巡って世界中で新たな立法措置が講じられているほか、モデルからも不満の声が高まっており、ファッション業界ではLVMHとケリングを含む複数のブランドが対処を求める圧力に直面している。有識者からは、ファッション業界が極端に細いモデルを起用することで、特に10代の少女と若い女性の間で不健康な体重を理想化し、拒食症を助長しているとの声が出ている。

 LVMHとケリング傘下のブランドは新たな規範に基づき、「良好な健康状態と労働可能なことを証明する」、6カ月以内に取得した診断書の提出をモデルに求めている。両社はオーディションを開く際、モデルに最も小サイズの服の着用を求めることもやめる。さらに、16歳未満のモデルに成人の役割を演じさせることを禁じるなど、若いモデルの起用方法にも制限を加える方針だ。各ブランドには、モデル事務所が遅滞なくモデルに支払いを行うのを確実に促す義務も課せられる。

 ファッション業界におけるモデルの起用方法を規制する流れが強まっている。世界的なファッション業界の中心地の一つであるフランスでは今年、働くのに適した健康状態であることを証明する診断書の提出をモデルに求める法律が施行された。

 イタリアのファッション業界は、良好な健康状態を証明する医師の診断書の提出をモデルに求めている。しかし、専門家はこうした規制をもってしても、最悪とも言えるモデルの労働環境が改善していないと指摘する。

 非常に厳しい規制を敷いたのはスペインのファッション業界だ。同国では2006年、体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数(BMI)が18以下のモデル起用が禁止された。この数値は世界保健機関(WHO)が栄養失調とみなす水準だ。イスラエルでも12年に同様の措置が取られ、BMIが18.5以下のモデル起用が禁止された。

 一方、LVMHとケリングが定めた規範によると、各ブランドは服のサイズが最小のモデルを求めることができなくなった。最小サイズとは、女性ではフランスの「32」、米国の「0」(訳注:バスト約80センチ、ウエスト約60センチ、ヒップ約86センチで日本の婦人服のトールサイズ5号にほぼ相当する)、男性ではフランスの「42」、米国の「32」となる。

 米ニューヨーク州のフォーダム大学ロースクールでファッション・ロー・インスティチュートのディレクターを務めるスーザン・スカフィディ氏は、この条項を実施するのは困難だろうと言う。「サイズ0とはどういう意味なのか。サイズ0はブランドによってまちまちだ」

By Matthew Dalton