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【阪神】鳥谷、2000安打…「ダメならやめるしかない」と泣いた昨季 

9/9(土) 6:03配信

スポーツ報知

◆阪神8―3DeNA(8日・甲子園)

 阪神・鳥谷敬内野手(36)が、8日のDeNA戦(甲子園)の第1打席で史上50人目となる通算2000安打を達成した。あと1本に迫って迎えた一戦は2点を追う2回無死一塁、井納から右中間を真っ二つに破る適時二塁打を放った。歴代2位の連続試合出場も1877とした猛虎の鉄人が、プロ14年目で名球会入りを果たした。

【写真】鳥谷2000安打の瞬間

 積み上げた努力の結晶が、天然芝の上を弾んでいった。2点を追う2回1死一塁。鳥谷は2ボールから、井納のスライダーを低い弾道で右中間へはじき返した。「走者を進める延長線にヒットがあったら、と思っていた。転がっている間に『そういえば2000本目だ』という感じでした」。前夜(7日)の最終打席で2000安打に王手をかけ、迎えた最初の打席で適時二塁打。万雷の拍手が降り注ぐ甲子園。「ファンの方々の声援が後押ししてくれた」。福留らに花束を贈られ、勝負師の顔から安どの笑みがこぼれた。

 新人だった04年開幕戦でのプロ初安打以降、一度も2軍に落ちずに安打を重ねた。「試合に出るために準備してきただけ。休んだら居場所がなくなる」。腰椎骨折など危機はいくつもあったが、グラウンドに立ち続けた。5月24日の巨人戦(甲子園)では顔面死球を受け鼻骨骨折。だが、翌日の同カードはフェースガードをつけて代打で出場した。「曲がっていた鼻が、あれで真っすぐになった!」とは心配する周囲に返したジョークだ。連続出場はこの日で1877試合となった。

 昨季ほど心が揺らいだことはない。打率2割3分6厘、7本塁打、36打点に終わった昨オフ。新井、狩野らと食事に出かけた鳥谷は、ワイングラスを傾けながら思いの丈を吐き出した。「本当に悔しい。来年はこの1年があったから、と思えるようにしないと。ダメならやめるしかない」。両目から涙がこぼれ、周囲はもらい泣きした。

 昨年は右翼方向へ強い打球を意識するあまり、スランプに陥った。今季はバットも34インチから従来の33・5インチに一本化し、ミート重視のフォームに変更。「自分はもともと左利きだし、後ろの手が強い。いかに柔らかく使えるか」。7月までは長打が15本だったが、8月以降で14本と飛躍的に増えた。原点に返ったどころか、逆に進化を遂げた。

 父・敏さんとのボール遊びが鳥谷少年の原風景。中学1年で右打ちから左打ちに転向した。「2000安打なんて数字は考えたこともない。プロに入った時は500本ぐらい打てたらと思っていた」。天賦の才ではなく、向上心と探求心で現在の打撃スタイルを築き上げた。球団記録は藤田平氏が持つ2064安打。その更新も視界に入るが、まるで興味を示さない。

 「数字を追うことはない。毎日、試合にどうやったら出られるかを考えてやってきた。05年から優勝できていないし、そこに向かって勝利に貢献できるように一本一本、積み重ねていきたい」。達成当日深夜のテレビ生出演の事前オファーは丁寧に断った。次の試合に集中するためだ。余韻に浸ることもなく、鳥谷敬は夜明けとともにまた動き出す。(表 洋介)

 ◆鳥谷 敬(とりたに・たかし)1981年6月26日、東京都生まれ。36歳。埼玉・聖望学園高から早大に進学。02年春に3冠王を獲得するなど東京六大学4連覇に貢献。03年のドラフト自由獲得枠で阪神に入団し、2年目に遊撃のレギュラーに定着。ベストナイン6度、ゴールデン・グラブ賞4度。180センチ、78キロ。右投左打。年俸4億円。

最終更新:9/9(土) 7:53
スポーツ報知

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