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減少続く子ども会 時代変遷応じ、改革を

9/10(日) 13:00配信

茨城新聞クロスアイ

年齢の異なる子ども同士が地域で親睦を深め合う子ども会が年々減少している。団塊ジュニア世代が小学生だった1980年代は6千に迫る勢いだった団体数は、少子化や学校の統廃合、子どもの塾通いなどを背景に、今年3月末には3600余りに減少。活動の維持・活性化に向け、今後は「異年齢集団」の活動から地域社会全体で子どもの健全育成を目指す「多世代交流」へ転換が進みそうだ。 (鉾田支局・大平賢二)


「子どもにはスポーツ少年団や塾を優先させてあげたい。子ども会活動への参加は難しい」。小学5年の長男(11)を持つ鹿嶋市の男性(45)は、子ども会を退会した理由をこう打ち明ける。

男性はパートの妻(39)と共働き。家事を分担しながら塾や少年団への送迎など子どもの世話をしているが、男性は、高学年児童の保護者が役員を務めることに難色を示し「今でも手いっぱいの状態。役員の仕事ができずに迷惑を掛けるよりは…」とうつむいた。

小学4年の長女(10)を育てる水戸市の30代女性は、長女が小学校に入学した当初から子ども会に参加していない。女性は、子ども会が取り組む廃品回収を例に挙げ「社会貢献活動の意味は分かるが、わざわざ参加する必要を感じない」と話す。

■募る危機感

県内の子ども会数は、団塊ジュニア世代が小学校を卒業した80年代後半から減少傾向が続いている。最も団体数が多かった86年度と2016年度の比較では、子ども会数が5853団体から3639団体と6割に減少。保護者を含む会員数も38万6273人から17万6474人と半数以下に落ち込んだ。

県子ども会育成連合会(水戸市)は「少子化を上回るペースで(子ども会数が)減少している」として、その理由について、途中退会の増加や小学校の統廃合に伴う子ども会の再編などを挙げる。

同連合会の大月光司理事長は、子ども会活動について「子どもたちにとって集団活動は絶対にマイナスにはならない」と強調した上で、「今後はいかに減少を食い止めるかだ」と危機感を募らせる。

■付加価値

境町の一部で子ども会活動に祖父母世代が参画するなど、県内各地で活性化に向けた“てこ入れ”も盛んだ。市町村が小学生向けイベントを開催し、事実上、子ども会活動を補完するケースも目立つ。

「子どもの社会力」などの著書があるつくば市の門脇厚司教育長は、地域における子どもの育成の在り方について「大人全員が周りの子どもの育成に携わるようになるのでは」と語り、子ども会は幅広い世代が活動に携わる「多世代交流」へ移行すると予測する。大月理事長も「今後は『本来の子ども会活動じゃない』と言っていられない」と変革の必要性を説く。

年齢の異なる子どもたちが集まり、伝統行事にも積極的に参加するなど、子ども会が地域社会で果たしてきた役割は少なくない。しかし、遊び相手不足や子ども自身の活動の多様化を背景に、子ども会の存在感は以前に比べ薄れつつある。

各子ども会の伝統を維持しながら、プラスアルファの付加価値を創造できるか-。子ども会の立て直しには、時代の変遷に応じた改革と地域社会の積極的な参画が求められそうだ。

★子ども会
集落など学校外の小規模な単位で異年齢の子どもを対象に活動する組織。年齢の違う子どもたちが交流することで、地域の連帯感を強化するとともに、子どもの健全な成長や社会性を育てることが主な狙い。地域における伝統行事の担い手として活躍する場合も多い。「子ども会育成連合会」は、県や市町村ごとに保護者と子どもが加入する。近年は少子化の進行で単一子ども会が維持できず、学区全体で一つの子ども会とする「学区子ども会」なども生まれている。

茨城新聞社