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中華街、深刻な「ごみ問題」 市、違反者に厳正対処

9/10(日) 12:29配信

カナロコ by 神奈川新聞

 横浜中華街(横浜市中区)で家庭ごみの集積所に飲食店などの事業系ごみが捨てられるケースが後を絶たず、市は本格的な対策に乗り出す。事業者が個々に処理すべきルールが守られていないことに加え、人通りの多い地域での景観上の問題も指摘されているためだ。市は象徴的な存在として山下町公園前の集積所を廃止する社会実験を年内にも実施。違反者に対し厳正に対処する。

 関帝廟通り沿いにある同公園。春節をはじめ、さまざまなイベントの会場として利用されている。

 市によると、公園前の集積所は家庭ごみが対象。飲食店から出る調理くずや残飯などの事業系ごみは、事業者が責任を持って有料で処理しなければならない。しかし、大量の残飯など明らかに事業系と分かるごみがしばしば出され、地域の課題となっていた。観光客が大勢行き交う場所だけに、景観や異臭を問題視する声もあり、地域から行政へ改善の要望が出されていた。

 背景には、中華街ならではの特殊な事情がある。

 市のルールでは、利用者間で集積場所を決め、市に申請することになっている。町内会長らが届け出て、班単位で管理するケースが多い。一方、中華街では、同公園前を含めてルールができる以前から存在する集積所が複数あり、そうした場所は管理者がいないという。

 事態の改善を求める地元の声を受け、市は本年度、社会実験に取り組む。公園前の集積所を廃止し、周辺3カ所に新設、ごみを分散させる計画だ。当初9月4日から実施予定だったが、候補地の周辺から反発があったため、代替場所を選び直す。

 「住民の方々には丁寧に説明し、理解を得た上で11月ごろには始めたい」と市都心再生課。集積所廃止後、2週間程度は職員が日中、現場に常駐して指導を行うほか、夜間や土日・祝日は監視カメラを設置。不法投棄を繰り返す者に対しては、県警と連携して対応する方針だ。

 本年度中に実験の効果を検証。地元住民や町内会などの意見をもとに、来年度以降も集積所の廃止を継続するか決定する。また、今回の実験を踏まえ、ごみの散乱が問題となっている他の集積所に関しても、対応を検討するとしている。

 中華街では住民、行政、民間事業者などが定期的に清掃活動を行っている。参加者の一人として汗を流す横浜中華街発展会協同組合の李宏道理事長は「ルールを守らないのはごく一部の人たち。意識を変えるには、時間がかかる。地域が一体となり、地道な活動を続けることで安全・安心・快適な街にしていきたい」と話している。