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仏陀やキリストがしばき合う“神”格ゲー「Fight of Gods」

9/11(月) 11:00配信

Impress Watch

 多くの日本人にとって、「神」は基本的に暴力や破壊と言った負の概念の対局にいる存在ではないだろうか? もちろん、天罰といった概念などもあるものの、筆者の場合、「神」と聞くと、「救い」を連想する。しかし、そんな印象を全力で否定するようなゲームが現われた。それが「Fight of Gods」だ。Steamで販売中で、価格は798円のところ、9月12日までは早期アクセスで40%引きの478円となっている。安さと、その挑戦的な内容につられて購入したので、簡単なレビューをお届けする。

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 なお、筆者はゲーム担当ではないので、以下の解説はベテランゲーマーからするとちょっと首をかしげるような点もあるかもしれないが、そこのところはご了承いただきたい。また、本製品はキーボードでもプレイ可能だが、操作方法については、1P(左)側でのレバー+ボタンのアーケードコントローラを想定した表記になっている。

 さて、9月4日にSteamで発売されたこのゲームは、「神々の戦い」という名のとおり、世界各地の宗教や神話の神同士が戦う格闘ゲームだ。神聖な神を格闘ゲームのキャラクターにするとは、まさに神をも恐れぬといったところ。具体的な登場キャラクターは、キリスト、ゼウス、仏陀、オーディン、関羽、アテナ、シヴ、モーゼ、アヌビス、天照大神の10キャラ。言わずと知れた神々が集結しているが、選考基準に一定の配慮が働いていることは感じ取れる。

 それでも、キリストの登場シーンは、自らが磔られた十字架を腕力で破壊し、釘が打ちつけられた部分を手の甲に残したまま武器として使う破天荒ぶり。見ているこちらのほうが、こんなゲーム作っていいのかとハラハラする。実際、その世界観の設定に興味を引かれたのか、メディアにも多数取り上げられ、有名ゲーマーも試遊した様子をYouTubeなどに上げている。話題度では成功を収めたと言っていいだろう。

 ストーリーは以下のとおり。

かつてない夢の対決! 未知の原因で、世界各地にいる神、聖霊、そして神話の中からパラレルワールドに召喚されたキャラクターは、かつてない神様たちの格闘大会を開催! それぞれの神力と技で夢のような対決を示すが楽しめる! 誰が勝者となるのか?裏で全てを操る黒幕の正体は一体?真相を知るために、戦うしかないんだ!!

Steamの製品ページより引用

■操作形態はストリートファイターVに似ているが、じゃっかん異なる

 ゲーム内容はシンプルな2D系で、キャラクターやステージは3Dで描かれているが、奥行きの概念はない。操作系もストリートファイターなどに似たものを採用している。ただし、ボタンは弱攻撃、中攻撃、強攻撃、投げ、神の力(特殊技)という構成。多くの2D格闘ゲームのように、パンチとキックという区別はない。ジャンプ中、しゃがみ状態では技が変化するので、通常技は9種類ということになる。

 このほか、キャラクターごとに必殺技がある。コマンドは、いわゆる、波動拳(下→右下→右+攻撃)、昇竜拳(右→下→右下+攻撃)、真空波動拳(下→右下→右→下→右下→右+攻撃)となっているが、技表によると波動拳系は「下→右+攻撃」、昇竜拳系は「右→下→右+攻撃」と表記されており、若干異なる。

 と言っても、間に斜め下が入ってはいけないわけではなく、波動拳系は下→右下→右+攻撃で発生する。ただし、昇竜拳系は右→下→右下+攻撃では発生せず、右→下→右下→右+攻撃のように、最後にレバーを前に入れていないと成立しない。

 また、細かいことだが、ストリートファイターVでは、レバーをしばらく前に入れっぱなしにした状態からの波動拳コマンドで昇竜拳が出るが(いわゆる歩き波動拳)、Fight of Godsでは、最初に前に入れてから、一定時間内に波動拳コマンドを完成しないと、昇竜拳は発生せず、波動拳が出る。

 攻撃を相手に当てたり、必殺技を出したり、ダメージを食らうと、画面下の黄色いゲージが増え、最大になると超必殺技を繰り出せる。このあたりも定番の要素だ。コマンドは全キャラ共通で真空波動拳。超必殺技は、ほぼ全キャラ、大ダメージを与える技を出すが、アヌビスだけは、発動後に天秤が表示され、その結果によって、超必殺技のダメージが増すこともあれば、5%の確率だがゼロになるという一風変わった要素がある。

 ダメージを食らうと、緑色のゲージが増えていき、これが最大になると神の力(Divine Power、以下DP)を発動できる。発動はDPボタンを押すだけ。DPは、キャラによってまったく効果・特性が異なるのが面白い。

 たとえば、仏陀のDPを発動すると、一定時間/数、DPボタンを押すだけで、先行する技をキャンセルしつつ波動拳を出せるので、多段コンボに持ち込める。キリストの場合は、体力を大幅回復し、一定時間与えるダメージが増加するが、被ダメージが2倍になる。シヴの場合は、敵の移動速度が遅くなる、といった具合で、攻撃系だったり、防御系だったり、特殊系だったりいろいろある。

 このほかシステム的な仕様としては、コンボ数や残りヒットポイントに応じたダメージ補正がない(ストリートファイターVでは、コンボ数が増えると一撃のダメージがどんどん減っていく)、溜め技がない、ダウン時は攻撃ボタンを押すことで受け身を取れる、コマンド投げがない、投げは専用ボタンで発動し1種類のみ、投げ抜けがあるといった点が挙げられる。描画フレームレートは60fpsで、操作系も1/60秒単位で入力を受けつけていると思われる。

■品質は開発途中段階

 先に、9月12日までは早期アクセスで40%引きと書いたが、じつはまだこのゲームは開発途中で、ベータ版に近い状態だ。メーカーによると、今後6~9カ月をかけて完成させていくとしている。じっさい、まだいろいろなところで品質の低さが垣間見える。

 たとえば、サイトには「初心者?心配はいらない!本ゲームでは練習モード、チュートリアルがあるので、簡単に強い神様になれるさ!」と書かれているが、チュートリアルは実装されていない。また、トレーニングモードでは、画面の描画やゲージ状況がおかしくなることもなんどかあった。ゲームバランスも荒削りだ。一部のキャラクターでは、すでに永久コンボもみつかっている。

 と言っても、メーカー自身、早期アクセスを通じて、ゲームバランスを調整していくとしているとしており、発売後にも細かい修正が入っていたので、ゲーム性を含め、正式版までにはいろいろ修正、変更されていくだろう。キャラも2キャラ追加されることが予定されている。

 ただ、PlayStation 2世代くらいに見えるのグラフィックスレベルは、おそらく製品版でも変わらないだろう(その分、PCの要求スペックは低い)。

■意外とコンボが熱い

 もう1つ気になったのはガードについて。Fight of Godsでは、ほかの2D格闘ゲームと同様、レバーの後ろ入れで立ちガードになり、斜め後ろ下でしゃがみガードになる。しかし、6種類ある地上技は上段か下段判定のみで、相手のしゃがみガードにヒットする中段技がない。加えて、一部の上段技は、相手がしゃがんでいるとスカる。そのため、ジャンプ攻撃(これは中段)を除いて、すべてしゃがみガードで安定して対応できると思われ、上段ガードはほとんど用がない。しゃがみガードを崩せる地上攻撃は投げのみなので、攻めと防御の戦略の幅が広がらないのではと思われる。

 ただ、ちょっとやりこんでみると、コンボが攻略しがいがあることに気がついた。ひとまず今回は時間の関係で、仏陀のみを取り上げる。

 まず仏陀にはチェーンコンボがある。弱中強と連続して押すと、画面端・中央を問わず、立ち状態でもしゃがみ状態(以降、屈)でも通常技がコンボでつながる(ほかのキャラクターではつながらないものもいる)。とくに難しい目押しは必要なく、先行入力的に順番に押していけば良い。弱→屈中→屈強、弱→屈中→強、弱→屈弱→屈中→屈強というコンボルートもある。

 もちろん通常技から必殺技へのルートもあるし、必殺技から必殺技へつなげることもできる。とくに竜巻旋風脚コマンド(下→左下→左+ボタン)で出る「Buddha's Light」(BL)は、キャンセルして別の必殺技につなげられるので、コンボの要となる。

 また、昇竜拳コマンドの「Buddha Spin」(BS)は、キャンセルこそできないが、ジャンプの頂点に達したあとは、通常のジャンプ状態になっているので、ジャンプ技を出せる。超必殺技の「Zulai Buddha Palm」(ZBP)は空中でも出せるので、これにつなげられるほか、Buddha Spinを食らった相手がダウンしたあとバウンドしているところに、もう1発打ち込むことができる。

 波動拳コマンドの「Buddha's Palm」(BP)については、このあとなにもつなげられないようだ。

 このあたり、どの技からどの技がつながるかを調べたのが下記の表だ。すべて2段目までで終わっているが、2段目の技に別途コンボルートが存在するのであれば、コンボを伸ばせる。

 たとえば、先に書いたとおり、弱→中のあとには、強が入るし、さらにそのあと、BPも入る。また、表には入れていないが、ジャンプ攻撃から各通常技につなげることもできる。と言うことで、ジャンプ強→弱→中→屈中→弱BL(キャンセル)→BS→ZBP(482ダメージ)といったコンボが入る。

 一応発生フレームとダメージも調べたので、表に入れてある。ガードされた場合、ヒットした場合の硬直差も調べようと思ったが、時間の関係でそこまでできなかった。

 そして何より熱いのが、DPの「Buddha Dharma」。DPを出すと、画面が暗転する演出が入り、1つ前に出した技にキャンセルがかかる。ここで技を出し、さらにDPを使うと、またキャンセルができる。つまり、技をずっとループできるのだ。

 と言っても、技の発生時間や、ヒット後のヒットバックにより、何でもかんでもループできるわけではない。試したところ中攻撃→DP→中攻撃→DPがうまい具合にループする。ゲージがなくなるまでに6回ループできたので、ジャンプ強→弱→中→強→DP→(中→DP)×6→中→BL→BS→LBPというコンボになり、なんと1,064ダメージを与えられた。これは1,075のヒットポイントを持つオーディンを除き、1回でまさに「昇天」まで持って行ける計算だ。最後のLBPが全弾ヒットしていないので、カウンターヒットや、壁を使うなりすると、オーディンも一発で倒せるかもしれない。

 このほか、カウンターヒット時はダメージが10%増え、有利フレームも増えるので、通常つながらない技がつながったりする。

■正式版に向け、ブラッシュアップに期待

 ということでざっくりとではあるが、Fight of Godsのレビューをお届けした。前述のとおり、未完成で、永久コンボがあるなど調整が必要なところはいろいろありそうだが、ひとまず500円でおつりが来る(早期アクセスのみ)ことを考えると、値段分は楽しめると思うし、やり込める部分もある。

 そのほかお楽しみ要素としては、アーケードモードでは、最後にラスボスが待ちかまえており、それを倒すと3番目の衣装(スキン)が解禁される。設定をイージーにすれば、適当にレバガチャで技を出しておいて、ゲージが溜まったら超必殺技をぶっ放すだけで相手は食らってくれるので、購入した暁には、そこまではプレイしてみよう。

 今後、本作品が本格的格闘ゲームとして成長していくには、ネット対戦機能が必要だと思われるが、実装の予定があるのかどうかはわからない。

 ただし、もともと準備していたとは思われるが、発売翌日に英語モード(本製品の基本言語は中国語)が、そして4日目の9月8日には日本語サポートも追加された(と言っても、メニュー画面などのみで、怪しい日本語なのだが)。天照大神のボイスは(ネイティブではないが)、当初から日本語になっている。今後のアップデートにも期待したい。

PC Watch,若杉 紀彦

最終更新:9/11(月) 11:00
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