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イルミネーションを設立7年で人気ブランドへ シリーズ育ての親が語る“ミニオン”ヒットの仕掛け

9/16(土) 8:10配信

オリコン

 近年、大ヒットを連発し、ディズニーやピクサーに勝るとも劣らない人気を博しているイルミネーション作品。そのブランド力の源泉が『怪盗グルー』シリーズだ。2010年の1作目から同シリーズを育ててきた東宝東和の安達佳孝氏にこれまでの仕掛けや飛躍への戦略を聞いた。

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◆歴代最高ヒットへ向けて最注力したターゲティング

 イルミネーション作品の日本初お披露目となった『怪盗グルーの月泥棒 3D』(10年)は興収12億円。その後、第2弾『怪盗グルーのミニオン危機一発』(13年)で25億円まで伸ばすと、ミニオンたちが主人公になった『ミニオンズ』(15年)は52.1億円の大ヒット。作品を経るごとに数字を倍へと伸ばしてきた。そして、今夏のシリーズ最新作『怪盗グルーのミニオン大脱走』。人気キャラのミニオンをメインにした前作から、『怪盗グルー』シリーズに戻る今作だが、フタを開ければイルミネーション歴代No.1の日本興収を樹立する大ヒットになった。

 こうした状況に安達氏は「新作発表の段階で、社内の目標設定は非常に高かったですし、社外からの期待も大きかったです。そこで目標達成のために一番力を入れたのが、作品をどの層にぶつけるかというターゲティングでした」と語る。

 具体的には「シリーズの積み重ねのなかで、『ミニオンズ』で大きな数字の増加があったのですが、ここで増えたのが10代後半から20代前半の男女。ミニオンというキャラクターが、若い世代に受け入れられている手応えがありました。今回も前作に続いて夏休み公開だったので、このターゲット層は踏襲しながら拡大させる戦略になったんです」と振り返った。

◆マーケティングから生まれたミニオンのキャラクター

 一方、シリーズのヒットの奇跡を振り返ると、当初のファミリー層をターゲットにしたアプローチは、その後も継続して行われてきたことが人気確立の要因の1つに挙げられる。そこに、そのつど作品ごとの内容に沿った細やかな話題作りがあった。その地道なプロモーションからのターゲット設定ノウハウの蓄積、もともとポテンシャルの高かったキャラクターの浸透が今日のシリーズのブランド力へとつながっている。

「ミニオンは、SNSとの親和性が高く、またジャンルレスな展開の各種グッズの売り上げも好調です。日本市場で洋画のアニメキャラクターは、安心感がないとなかなか受け入れてもらえません。ところがミニオンは、当初からすごく反応が良かった。これは、イルミネーションが日本を含めた全世界でマーケティングを行い、そこからのいろいろなアイデアをキャラクターに反映させた結果だと思います」

 そこに加えて今作では、さらなるヒットへ向けて、これまでにシリーズを観たことがない層へも積極的にアプローチしていった。「大きかったのは、今年4月のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『ミニオン・パーク』オープンです。映画以外のシーンでミニオンという存在がさらに大きく世の中に広がっていく瞬間でした。そこからグッズ展開も加速し、一般層への認知が一気に拡大した手応えがあります。そして、映画鑑賞意欲を削ぐ大きな理由の1つである『シリーズ過去作を観たことがない』に対しても、定番ではありますが、映画公開時期の過去作品の地上波オンエアで応えました」。

◆日本で浸透したイルミネーションブランド

 10~20代前半の男女を核としつつも、ファミリー層、さらに未見の層と全方位でプロモーションを展開。その結果、シリーズ最高の成果をあげることにつながった。イルミネーション作品は、15年の『ミニオンズ』から『ペット』『SING/シング』、そして本作と4作連続で興収40億円を突破するスマッシュヒット。日本においてイルミネーションブランドは確実に浸透している。

「まだスタジオ設立から7年というなか、やっぱり立役者となっているのは『ミニオン』だと思うんです。確立したブランドを活かして、ここからどれだけ飛躍させられるかが大事ですね」と先を見据えていた。
(文:磯部正和)
(コンフィデンス9月18日号掲載)

最終更新:9/16(土) 8:10
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