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阪神・掛布二軍監督「電撃退任」本当の理由

9/12(火) 11:01配信

東スポWeb

 阪神は10日、掛布雅之二軍監督(62)の今季限りでの退任を電撃発表した。球団は2年契約の満了に伴う「世代交代」と説明した。しかし、今回の唐突な人事の裏にはスパルタ派の金本監督と、選手の自主性を重んじる掛布二軍監督の「野球観」の違いが指摘されており、事実上の“解任”とも言えそうだ。

【写真】掛布二軍監督と「野球観」の違いがあるといわれる金本監督

 ミスタータイガースの退任について四藤球団社長は「ファームの育成という部分で全体的な底上げができた。将来的な展開を考えて世代交代を考える必要がある中で、次に託すということ」と説明した。2013年10月にGM付育成&打撃コーディネーター、16年に二軍監督に就任。この日、ウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)の試合前に取材に応じた掛布監督は「若手が一軍で活躍してくれたり、これからまた何人もの選手が一軍で活躍してくれると思う。非常に充実した4年間だった」と振り返った。就任以来、二人三脚で歩んできた金本監督はDeNA戦後「一緒にやっていきましょうということで2年間支えてもらったし、若い選手を一軍に送り込んでもらった。ありがとうございましたと言いたい」と背番号31に感謝した。

「金本―掛布体制」の電撃解体は表向きは世代交代だが、実際は2人の「野球観」の違いが大きな理由と見られている。ある阪神関係者は「選手育成について完全に同じ方向を向くことができなかった。金本監督はもっと厳しく質、量ともに選手を追い込んで鍛えるタイプ。掛布監督は今風の選手に合わせて褒めて伸ばすタイプ。金本監督にとっては今の二軍の練習は物足りなく映ったのかもしれない。お互い新人監督なのでフロントがうまく立ち回らないといけなかったが、それができなかった」と明かす。

 確かに金本監督は自身の経験も踏まえ「現役の時は(素振りで)血が出るくらい振ったし、ぶっ倒れるくらい走った。今の選手もできると思う」と語るなどスパルタ式のチーム改革を目指している。

 一方、掛布監督は現場復帰以来「選手の長所を見つけて伸ばしていきたい。気持ちを乗せて見守る。今の選手にはそれが合っている」との指導方針で選手の自主性を重んじてきた。どこかで相違が出るのも仕方なく、球団も苦渋の決断だったに違いない。

 今後について四藤社長は「オーナー付きのアドバイザー的な立場での協力を要請している」との考えを示したが、今回の唐突な人事劇は波紋を呼ぶことになりそうだ。

【選手の自主性重んじ褒めて伸ばす指導】掛布二軍監督は2013年10月21日にGM付育成兼打撃コーチ(DC)に就任した。15年9月、中村勝広GMが急逝したことにより球団はGM職を廃止。掛布氏は「球団本部付育成&打撃コーディネーター」の役職となり、同年オフの金本一軍監督誕生と同時に二軍監督となる。

 1年目の16年は57勝54敗7分けでウエスタン・リーグ3位。今季は10日現在、48勝55敗8分けで同最下位だが、この2年間で多くの若手を一軍に送り出している。

 15年のドラフト1位・高山俊外野手(24)は春季キャンプで掛布二軍監督のマンツーマン指導を受けて土台を築き、新人王に輝いた。DC時代から目をかけていた中谷将大外野手(24)は今季初めて開幕を一軍で迎え、今ではクリーンアップに定着。チーム最多の19本塁打を放つなど能力が一気に開花した。また10日のDeNA戦(甲子園)でサヨナラ打を放った伊藤隼太外野手(28)も“掛布チルドレン”の一人だ。

 ただ、ここ3年のドラフトは即戦力優先で高校生野手は14年のドラフト5位の植田海内野手(21)1人だけ。原石を鍛え上げ、一軍に送ることができなかったのは心残りかもしれない。

最終更新:9/12(火) 15:51
東スポWeb

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