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甘くなかった「ポケモンEXPOジム」運営 「GO」特需を生かせぬまま閉館へ

9/12(火) 9:25配信

産経新聞

 大阪府吹田市のEXPOCITY(エキスポシティ)のアトラクション施設「ポケモンEXPOジム」が9月24日に営業を終了する。エキスポシティの目玉の一つとしてスタートしたものの、集客が振るわず2年もたなかった。運営会社にノウハウが乏しく、てこ入れ策も不発。昨年からのポケモン特需を生かしきれないまま幕を閉じることになった。(大島直之)

 「幅広い年齢層を取り込み切れなかった」。施設運営会社の関係者は、「ポケモンEXPOジム」の閉館に無念さをにじませる。同施設は平成27年11月に開業した。大型スクリーンに映し出されたポケモンのキャラクターと会話ができる国内初の施設。来場者が、ポケモンの悩みや不満に答えたり、ポケモンとのダンスを楽しめたりするプログラムを用意。オリジナル商品も販売した。

 運営は造船を中核とするサノヤスホールディングス(HD)傘下で、遊園地の設備などを手がけるサノヤス・インタラクションズ(大阪市住之江区)。ポケモンの商標を持つ株式会社ポケモンがプロデュースを手がけた。

 28年7月にはスマートフォン向けアプリ「ポケモンGO」が配信され、世界的ヒットとなるなど追い風も吹いていた。しかし、エキスポシティはその立地や施設全体の構成もあり、当初から来場者や売り上げが週末に偏る運営上の難しさを抱えていた。EXPOジムの来場者は想定の半分に満たない状態が続き、好転の兆しも見えなかった。

 サノヤスは大型観覧車の設計・製造や遊園地の運営など従来型の屋外レジャー施設に強みを持つ。屋内型のポケモンEXPOジムは「天候に左右されずらい、多角化したビジネスモデル」(上田孝サノヤスHD社長)への挑戦でもあった。ただ、展開力に欠けたのは否めない。

 マクドナルド、ソフトバンク(ワイモバイル)、イオングループなどの大手企業が、ポケモンGOと提携して、アイテムが手に入る「ポケストップ」「ジム」を自社店舗などに設定し、集客に活用した。しかし、EXPOジムはコスト負担を理由に参加しなかった。また、入場料とは別途でアトラクションごとに追加料金を支払う仕組みは複雑で割高だと不評だった。てこ入れ策として大人でも楽しめるようにと一部のアトラクションを入れ替えたものの、はかばかしくなかった。

 プロデュースを担うという株式会社ポケモンだが、「当社はキャラクターの使用許諾をしている立場」と距離を置き、EXPOジムの運営に対しては特に支援などはしなかったという。話題の場所で人気キャラクターを使えば集客できる、というほど甘くはなかったようだ。サノヤスHDは平成29年3月期連結決算でEXPOジム閉館に伴う特別損失15億円を計上。高い授業料となった。

最終更新:9/12(火) 10:58
産経新聞