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VRの未来は学生が創る、あす国際コンテスト開幕 “バカバカしさ”を真剣に追究

9/13(水) 17:41配信

日刊工業新聞電子版

■ブーム先取り、衝撃・触覚の再現に工夫

 未来は学生が創る―。今年で25周年となる「国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」(IVRC)の予選大会が14日に開幕する。10月28日に決勝大会を開く予定で、学生らが自作した仮想現実(VR)コンテンツを競う。

 バンジージャンプVRや海中遊泳VRといったこれまでの作品が、現在のVRアトラクションの原型となった。VRブームの源流には学生たちの自由な発想や創作を支える大学側の工夫がある。

 IVRCは学生のための祭典だ。1993年に始まり、96年に設立された日本バーチャルリアリティ学会よりも歴史が長い。学生が扱える技術はコモディティー化する直前の技術が多い。そのため企業の技術者もネタを探しに集まる。結果、作品の多くが現在のVRブームで実現された。

■コンテンツの見せ場、“ガッタン”

 94年に筑波大学チームが開発した「バーチャルバンジージャンプ」はヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)をかぶり身体をロープでつないでジャンプする。身体が90度倒れて、その場で宙づりになるだけだが、HMDの映像では真っ逆さまに落ちていく。

 筑波大の岩田洋夫教授は「映像にだまされ、自由落下していると錯覚する」と振り返る。VRなら高さの制限はなく無限に落ち続けることも可能だ。

 01年の東京工業大学のブランコVRはプロジェクター映像とブランコを組み合わせた。座板を上下に駆動してスイングの加速度を表現。つりひもを急に緩めて自由落下による“ガッタン”も再現した。13年には慶応義塾大学がロープスライダーVRを製作。ウインチでつりひもを操作し、HMDと扇風機で滑空を表現した。

 これらは現在のVRアトラクションの目玉の一つ。アドアーズの運営する「VR PARK TOKYO」の「ジャングルバンジーVR」ではジャングルをブランコに乗って滑空する。“ガッタン”はコンテンツの見せ場だ。

■ぶつかる衝撃、触覚が重要技術に

 これから導入が期待される技術も多い。例えばバッティングやチャンバラなど、バットや剣が相手にぶつかる衝撃はVRの重要な要素だ。現在のVRアトラクションでは剣でモンスターを攻撃しても、その腕は空を切る。00年の東京大学の「バーチャルチャンバラ」では棒の先についた回転体が急停止する慣性力で衝撃を表現した。

 96年の筑波大の「ノボール1号」はロッククライミングをVR化した。体験者はHMDをかぶって宙づりになり、逆さにしたトレッドミルに取り付けた突起をつかんでよじ登る。トレッドミルとHMDの映像を同期し、無限に登り続けられる。16年に米オキュラスのHMDのロッククライミングゲームが、美しい映像でヒット、ベストセラーになったが、肝心の両手はコントローラーで操作していた。今後、衝撃や触覚の提示はVRの重要技術になる。

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