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県内ガソリンスタンド経営多角化 収益減補う

9/13(水) 0:09配信

北日本新聞

 県内のガソリンスタンド(GS)の運営会社が、新たなビジネス分野に乗り出している。住宅リフォームに参入したり、学習塾やコンビニを展開するなど、事業領域を拡大。閉鎖したGSの跡地を活用する動きもある。背景には、電気自動車(EV)の普及などに伴うガソリン需要の減少がある。各社はガソリンの販売の落ち込みを補うため、収益源の多角化を急いでいる。

 住宅リフォーム事業に力を入れるのは、島石油(射水市庄西町・新湊)。家庭向けの灯油やLPガスの販売で、顧客から給湯器の修理などの相談を受けたことをきっかけに、5年ほど前から本格化した。キッチンや浴室といった水回り関係のリフォームをはじめ、外壁の補修・塗装、カーポートの設置まで幅広く対応している。

 リフォーム分野の売上高は現在約1億円で、3年後に倍増させる方針。GSにサービスを案内する横断幕を掲げるなどPRを強化しており、島竜彦社長は「認知度を高めて顧客の開拓につなげたい」と話す。

 県内を中心に45カ所のGSを運営している富山石油グループ(富山市東町)は「生活・教育・文化部門」として、学習塾やフィットネスクラブの運営、コンビニの経営などを手掛けている。
 学習塾は「明光義塾」のフランチャイズに加盟し、富山市内で6教室を展開。フィットネスクラブは約6年前に参入し、女性をターゲットにした3教室を運営する。

 昨年には閉鎖したGSの跡地に美容院もオープンした。交通量の多い道路沿いのため、立地の良さを生かして集客を見込めるというメリットがあるという。

 このほか、丸福石油産業(高岡市美幸町)や黒部石油販売(黒部市中新)は、自動車販売や車検といった分野を強化。新車と中古車を取り扱う丸福石油産業の山良順子社長は「GSを利用する顧客のニーズに幅広く対応したい」と話す。

 各社が新事業に力を入れるのは、ガソリンの需要が落ち込んでいるためだ。電気自動車やハイブリッド車などのエコカーが普及したほか、人口減少もあり、GSの店舗数は減少。県石油商業組合(富山市小中)によると、県内は1996年度が627店だったが、2016年度には386店と約4割減った。

 今後もGSを取り巻く経営環境は厳しさを増すとみられ、各社にとって新たな収益源の構築が急務となっている。富山石油は「将来的にガソリン部門の落ち込みが避けられない中、リスクを分散させるためにも事業の多角化を進めていきたい」としている。

北日本新聞社

最終更新:9/13(水) 7:30
北日本新聞