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「全巻一冊 北斗の拳」おまえはもう、電子書籍を読んでいる

9/14(木) 6:01配信

スポニチアネックス

 世界最大のクラウドファンディング「キックスターター」日本版が13日に始まり、人気漫画「北斗の拳」全巻を“一冊”にまとめ、実際の本のように読める新形式の電子本「全巻一冊 北斗の拳」を製作するための資金集めがスタートした。開発する会社の目標額は300万円だったが、初日でその3倍以上の約1000万円が集まった。同電子本は1セット2万5000円(税別)からの設定で、実質的な先行販売となる。

 A5判サイズの端末は単行本のような外観で、ケンシロウらおなじみの登場人物が描かれた表紙が付いている。開くと2枚の最先端電子ペーパーが左右に並び、ボタンを押せばページが変わる仕組み。画像の再現度や素材感は紙の印刷と見間違うほどで、開発したプログレス・テクノロジーズ社の小西亨取締役によると「読んでいた担当者が、思わずページを手でめくろうとしてしまったほど」という。約300ページの単行本18巻相当の分量が“一冊”に詰まっている。

 小西氏は開発の動機を「電子書籍が登場して約10年だが、依然として多くの人が紙の本を買っている。紙好きの人が満足できる電子書籍を提案したかった」と話している。

 従来の電子漫画では1枚ずつ読むしかなかった“見開きページ”も、一度に閲覧可能。出版関係者によると「見開きやコマ運びなど、見せ方へのこだわりから電子化を望まない巨匠漫画家もいるが、この本ならOKを出してくれるかもしれない」と、早くも期待の声が上がっている。

 電子書籍を巡っては購入できるのはコンテンツの閲覧権で、所有権ではないとの解釈もある。多くの電子書籍サイトは、サービスが停止されたり、アカウントを凍結されればコンテンツを楽しむことができなくなる。

 小西氏によると「この本は漫画データを所有する形となる。スマホや、これまでの閲覧端末ではやりにくかった周囲の人との貸し借りもできる」といい、電子書籍の新しいスタイルになっていく可能性がある。

 ◇クラウドファンディング 起業家やクリエーターがインターネットを使い、不特定多数の人から資金を集めること。群衆(crowd)と資金調達(funding)を合わせた造語。ネット環境の発達によってアイデアを広く発信できるようになったことなどから普及した。支援者は、少額から気軽に出資できるメリットがある。2000年以降、専門サイトが立ち上げられ、米国ではキックスターターとインディーゴーゴーが有名。