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有機EL採用の「iPhone X」、日本の電子部品メーカーはよりチャンスに!?

9/14(木) 8:18配信

ニュースイッチ

部品点数が増加、技術力の底上げにも

  米アップルの新型スマートフォン「iPhone X(アイフォーン テン)」に、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)など高度な技術が搭載されたことは日本の電子部品各社にとっても期待が大きい。新技術・機能の追加を踏まえ、部品点数の増加を見込んでおり、今後の業績に好影響を及ぼす可能性がある。また新型アイフォーンへの対応に伴い、各社の技術力の底上げにもつながっている。アップルへの過度な依存の問題は残るものの、先駆的なニーズに挑戦し続けることは部品メーカーにとっても“力試し”の場所となっている。

 13日(米国時間12日)に発表されたアイフォーンの代表的な特徴は、有機ELパネルを全面的に採用した点だ。これに伴い、液晶端末と比べてスマホ内部の構造が大きく変化したほか、薄型化も進んだ。

 アップルの有機ELシフトが、日本のディスプレー関連メーカーの明暗を分けている。液晶パネルを供給するジャパンディスプレイ(JDI)とシャープは、有機ELパネルの量産化でサムスンディスプレイに後れを取っている。特にJDIはアップル向けの売上高が全体の5割を超え、依存度が高い。JDIの有機ELパネル量産化は19年度からの見通しで、中国のスマホメーカーも含めて有機ELシフトが進めば、経営に大きな打撃となる。

 シャープは18年4―6月に有機ELパネルの少量生産ラインを稼働する計画で、スマホ市場の有機ELシフトを注視している。ただ、ディスプレー事業は、親会社の台湾・鴻海精密工業とともに高精細の8Kテレビなどを優先する方針に転換している。このため、有機ELパネルは市場の動向を見ながら、チャンスをうかがう姿勢のようだ。

 また、JDIも液晶パネルにまだ商機があるとみる。中国シャオミの新モデルに、4辺の額縁を極限まで狭くした注力製品の「フルアクティブ液晶」が採用された。新型液晶の販売拡大を図る。

<発光材料は日本勢がシェアの大半を握る>

 一方、アップルの有機ELシフトは、日本の素材メーカーにとって大きなチャンスでもある。主要材料である発光材料は日本勢がシェアの大半を握る。最大手の出光興産は、有機EL主要部材で17年度に前年度比2ケタ成長を見込む。緑色の発光材料を得意とする新日鉄住金化学も、「米中韓の有機ELスマホの伸びは確定していないが、相応の伸びになると期待している」と話す。

 出光興産は、発光材料のほか、電子輸送材や正孔輸送材など主要部材を全て手がけ、強気の姿勢で生産能力の増強を進める。4―9月期に韓国の生産子会社の生産能力を従来比1・6倍の年8トンに増強し、全社で同10トンに拡大する。また、LG化学と特許の相互利用について契約するなど、他社との連携も含めて需要拡大に備える。

 電子部品メーカーの反応はどうか。内部構造の複雑化を受け、村田製作所は樹脂多層基板「メトロサーク」に期待を寄せる。メトロサークは複雑な形状の回路を実現できる基板で、すでに富山村田製作所(富山市)を中心に増産を見込む。また日本航空電子工業は、背幅が短いコネクター製品の開発を進める。やはり、有機EL端末の普及を見据えた取り組みだ。

 変化は外形だけにとどまらない。有機ELは大電流を必要とするため、電流値を調整するICや大容量型コンデンサーなどの搭載が増えた。積層セラミックコンデンサー(MLCC)を主力とする太陽誘電は「(有機EL端末の普及により)今後もコンデンサーの搭載数が増加する」とみる。

 そのほか、アイフォーンとしては初めて非接触充電を採用。事実上の標準になりつつある国際規格「Qi(チー)」に対応した。ロームは同規格に対応した送受信用制御ICを手がけており、すでに韓国メーカーなどへの納入実績もある。ビジネスの拡大に向け、さらなる需要増を期待する。新型アイフォーンの投入は、電子部品各社にとって新たなビジネスを生み出す契機になっている。

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最終更新:9/14(木) 8:18
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