ここから本文です

大学に「子ども食堂」開設相次ぐ 運営の中心は学生 福岡

9/14(木) 9:00配信

西日本新聞

 社会福祉士や臨床心理士を養成する福岡県内の大学で、学内施設を活用した子ども食堂の開設が相次いでいる。運営の中心は学生たち。無料の学習支援教室に通う子どもなどへの専門性を生かした支援と同時に、学生の将来を見据えた学びにつなげる狙いもある。

 筑紫女学園大(福岡県太宰府市)が8月10日、学内で開いた子ども食堂には県内の中学生12人が参加。社会福祉士を目指す人間科学部の学生らが世話役を担った。食の交流に併せて、子どもに進学への意欲も高めてもらおうと企画した。

 イベントは午前からあり、学生たちは食事の前に学内を案内し、大学での授業の様子や時間割を紹介。同学部3年の三砂侑子さん(21)は、自身も利用する奨学金制度などの支援制度について説明し「夢に向かって頑張りたいという気持ちがあれば制度を使ってみてください」と呼び掛けた。

 参加者は学生食堂で好きなメニューを選び、食事を取りながら学生と交流。3年の中山日向子さん(21)は「将来をしっかり見据える子どももいた。継続して接し、もっと悩みを相談してもらえるよう寄り添いたい」と意欲を語った。

「居心地の良い場をつくりたい」

 子ども食堂は7月以降、3回開催。指導する大西良准教授(社会福祉学)は「子ども食堂での交流は福祉の仕事に就く学生のキャリアアップにつながる。子どもたちも進学を意識して向上心を持つ機会になり、今後も続けたい」と話した。

 福岡大(福岡市城南区)は7月、親に精神疾患のある子ども向けの食堂をスタートさせた。NPO法人などと共催し、運営には看護師や精神保健福祉士のほか、臨床心理士を目指す人文学部の学生も加わる。大学の専門性を生かして、従来の枠組みでは行き届かない子どもを支援するモデルケースとしたい考えだ。

 同大の皿田洋子教授(臨床心理学)は「親が精神疾患の子どもはやりたいことを我慢し、親にも気を使っている。周囲の支えを経験すれば困ったときに相談しやすくなる」と企画の狙いを説明する。グリーンコープ連合(福岡市)から食材の提供を受け、スタッフは事前の会議で子どもの家庭環境などの情報を共有した。

 8月19日に開いた子ども食堂には園児や小学生5人が参加。学生たちと風船遊びなどをし、手巻きずしやケーキ作りを楽しんだ。子どもたちに人気だった人文学部3年の宮丸徹也さん(21)は「子どもは私たちを身近な存在として接してくれたようだ」と笑った。

 食堂は月1回を予定し、今後は子どもが親の疾患にどう向き合うかなどの内容も盛り込んでいく。スクールカウンセラーを目指す宮丸さんは「子どもと大人のパイプ役となり、居心地の良い場をつくりたい」と話した。

西日本新聞社

最終更新:9/14(木) 15:29
西日本新聞