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「無意識にストレス増大」狭い避難所は認知処理力低下 九大が調査

9/14(木) 11:39配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 地震などの災害時に住民が避難する体育館などで、個人に割り当てられるスペースが狭いと脳内の認知処理機能が低下し、ストレスの原因になる可能性のあることが、九州大芸術工学研究院の綿貫茂喜教授(生理人類学)の研究グループの調査で分かった。

 間仕切りで囲ったスペースで横になり、両肩から仕切りまでが70センチ未満のケースで認知処理力の低下が確認された。グループは「認知処理力が落ちると心身のストレスが蓄積し不安障害などにつながる」と説明、避難所運営に生かすよう求めている。

 調査は、熊本地震を受けて避難スペースとストレスの関係を調べるために実施。男子学生20人(平均年齢22歳)にあおむけに寝てもらい、両肩からそれぞれ10~110センチの5段階で間仕切りを設置し囲んだ。その上で(1)高音と低音を流して低音の際にボタンを押す単純作業(2)高低音を聞きながら流れてくる「リンゴ」「とびら」などの一般単語を覚える複数作業(3)一般単語を「なやみ」「いじめ」などの不快語に変更-を課し、脳活動も測定した。

 その結果、70センチ未満の三つのパターンでは、脳は音と「言語」には反応しているが、不快語を覚える数が少なくなり、認知処理力の悪化が確認された。70センチ以上のパターンでは、ほぼ日常の認知能力と変わらなかった。

 グループの江頭優佳学術研究員は「認知処理の効率が悪い閉所空間での暮らしが長期化すると、無意識にストレスが増大する恐れがある。できるだけ早い段階で避難所から一般住宅に移す施策も大切だ」と指摘している。

西日本新聞社