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U-20W杯で世界王者になったものの、若手育成に苦しむサッカーの母国

9/14(木) 6:40配信

VICTORY

世界的に見てもサッカーの母国、イングランドのプレミアリーグほど盛り上がっているリーグはないだろう。巨額の放映権収入が各クラブに入り、世界中からスタープレーヤーが集まっている。しかし、その一方で自国の選手が出場権を得られない現実がある。U-20代表が世界一になるなど、欧州でも屈指の逸材が集う同国の若手は、その才能を輝かせることができるのか。

プレミアのピッチに立てないイングランド産の若手選手たち

8月が終わればイングランドの夏も終わり。日中の気温は10度台にとどまり、雨の日も増える。同時に今年は、母国ユース代表の「黄金の夏」も終わった。U-19とU-21レベルの欧州選手権では、それぞれ優勝とベスト4進出、U-20W杯では世界王者となった“ヤング・ライオンズ”たちは、所属クラブで出番のない厳しいシーズンを迎えることになった。

予想されてはいた。巨額の放映権収入が外国人即戦力の獲得予算となるプレミアリーグは、国産の若手レギュラーが生まれ難い世界。今季も、メディアが「黄金」と評した夏真っ盛りの時点から、国際舞台で輝いた若手の褒美は「1軍でのベンチ生活かレンタルでの放出」だと悲観的に報じられていた。当人たちも覚悟はしていたはず。U-20W杯で大会得点王となったドミニク・ソランケなどは、少なくとも起用される可能性は高まると思われたリバプール入りを、昨季終了時に決心していた。

ソランケが「脱出」したクラブはチェルシー。イングランドが進出した決勝2試合と準決勝のスタメンに計9名を送り出したクラブは、今夏の成功の貢献者であるとともに、若手を使って育てる意識が乏しいプレミア勢の代表格でもある。9名のうち、今季プレミア開幕戦でメンバー入りを許されたのはフィカヨ・トモリだけ。そのU-20代表センターバックにしてもベンチに座っているだけだった。

自らの意思でチェルシーを去った若手の1人には、U-21代表だったナサニエル・チャロバもいる。完全移籍で加入したワトフォードで開幕から先発を続けるセンターハーフは、先の国際マッチ週間でフル代表初招集を経験。小学生の頃から通い慣れたチェルシーを離れた勇気が早々に報われた。だが、本来はチェルシーのようなクラブこそが、若手を使う勇気を示すべきだろう。今年に入って、「外国から移籍してきた選手には『適応に1年は必要だろう』と言うくせに、どうしてユースから上がってきた選手には時間的な猶予を与えないのか?」と言っていたのは、解説者のレイ・ウィルキンス。『トーク・スポーツ』ラジオのインタビューで、語気を荒げていた元イングランド代表MFには筆者も同感だ。

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最終更新:9/14(木) 9:01
VICTORY