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侍U-18代表は「世界一を逃した」のか? 選手の未来を潰しかねない歪な現状

9/14(木) 12:10配信

VICTORY

 9月1日~11日にかけてカナダのサンダー・ベイで行われた第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ。「史上最強打線」の呼び声も高かったU-18日本代表は、3位という結果に終わった。優勝は逃したものの、選手たちは世界一を目指し、懸命にプレーした。しかしその一方で、この大会は日本の野球界における大きな「課題」、そして「疑問」も浮き彫りにした。(文=花田雪)

3位という結果は称賛されるべきものだが…

 大会中に自身の持つ高校通算本塁打記録を111まで伸ばした清宮幸太郎(早稲田実)、その清宮と実力的には「双璧」とまで評価される安田尚憲(履正社)、甲子園で清原和博(元PL学園)の持つ1大会本塁打記録を更新した中村奨成(広陵)らを擁し、悲願の初優勝が期待されたU-18ベースボールワールドカップ。日本代表はオープニングラウンドこそ4勝1敗で乗り切ったものの、スーパーラウンドでカナダ、韓国に敗れ決勝進出を逃した。3位決定戦ではカナダにリベンジを果たしたものの、選手たちも、そして周囲も期待した「世界一」には手が届かなかった。

 選手たちはなれない木製バットに苦心しながらも、異国の地で懸命に戦った。結果は期待されたものではなかったかもしれないが、称賛されてしかるべきだろう。

 しかし、である。大会前、そして大会中には多くのメディアが日本の「世界一」を期待し、「決勝に進出して当たり前」といったような風潮が見られたのも事実だ。昨今、高校野球界で見られる「勝利至上主義」が、甲子園が終わった後の国際舞台にまで及び始めている――。そう感じたのは筆者だけだろうか。

 そもそも、甲子園後の「高校日本代表」、いわゆる「ジャパン」の遠征・大会は過去、それほど重要視されていなかった。もちろん、試合となれば選手たちは必死にプレーするだろうが、どこか「親善試合」のような雰囲気と、甲子園や高校野球の舞台で活躍した選手たちへの「ご褒美」のような感覚さえあった。

 それが近年、WBCの開催や侍ジャパンの常設化により、世代を問わず「国際舞台」がより真剣勝負の場へと変化してきたのだ。

 ここで、一つの疑問が生まれる。果たして今大会は、トッププロが集結するWBCのような「絶対に負けられない」ものだったのだろうか――。

 断言してもいいが、それは間違いだ。

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最終更新:9/14(木) 20:41
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