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チビチリガマ破壊「絶対許せぬ」 読谷村議会、現場視察で憤り 沖縄県警は証拠集めも

9/14(木) 5:25配信

沖縄タイムス

 【読谷】72年前の沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起きた読谷村波平のチビチリガマの遺品などが何者かによって荒らされた問題で、読谷村議会の16人が13日夕、現場を訪れて被害の状況を確認した。伊波篤議長は「遺族や生き残った方への冒涜(ぼうとく)であり絶対に許してはならない」と強い怒りを表した。

【画像】壕内で地面に放り出され、散乱した千羽鶴

 議会は定例会中の13日早朝に緊急会議を開いて視察を決定。ガマでは遺族会長の與那覇徳雄村議が状況を説明し、議員らは手を合わせて中に入った。

 視察を終えた伊波議長は「戦後72年がたち、語り部が減る中で、戦世の悲惨さを伝えるためチビチリガマを記録で残そうという思いがある」と指摘。「犯人像は見えないが、議会として何らかの意思を示さないといけない」と語った。

 チビチリガマを管理する遺族会と、文化財指定する村が連名で近く被害届を提出する方針だが、嘉手納署は13日、器物損壊事件を見据えて現場の証拠集めに乗り出した。

 村職員立ち会いの下、鑑識担当署員が午前11時ごろから1時間以上かけ、投げ捨てられた看板や「チビチリガマの歌」が書かれた半畳ほどの板、犯行に使われた可能性がある棒きれなどから指紋を採取。今も骨片が残り、遺族が神聖な墓と位置付ける壕(ごう)内の瓶やつぼが割られた状況などを写真に収めた。

 この日は龍谷大学国際学部(京都市)の学生が平和学習でチビチリガマを訪れた。壕の中までも荒らされた状況に心を痛める人も後を絶たなかった。

 引率する清水耕介教授は「内向きで右傾化する社会の流れとの関係が思い浮かんだ。平和学習に対する非常に強いバックラッシュ(反動)があるのは事実。平和も人権も勝ち取るものであることを学生には学んでほしい」と語った。

戦跡荒らし許さない 元学徒ら抗議アピール

 【東京】9・29県民大会決議を実現させる会は13日、参院議員会館で「沖縄戦『集団自決』消せない傷痕」写真展・シンポジウムを開いた。約80人の参加者は「集団自決(強制集団死)」が起きた読谷村波平のチビチリガマ内部が荒らされたことを受け、「破壊行為を断じて許さない」と抗議するアピールを議決した。
 アピール文では「極めて異常な形で死に追い込まれた人々が生の道を奪われ、無念の思いが込められた場所である。極めて独りよがりの思いで、好き勝手に破壊を続けた行為を断じて許すことはできない。満腔(まんこう)の怒りを込めて抗議の意志を表明する」と訴えた。
 元白梅学徒の中山きくさんは「次世代の人に私のような戦争を体験させたくない。二度と戦争のない国をつくるには、教科書に真実を書いてほしい」と語った。

最終更新:9/14(木) 8:05
沖縄タイムス