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若武者・阿武咲、負けてなお収穫 大関にも臆せず攻めた

9/15(金) 20:59配信

朝日新聞デジタル

(15日、大相撲大相撲秋場所6日目)

 若さの勢いと大関の意地が、ぶつかり合った一番だった。ここまで5連勝の阿武咲と1敗の豪栄道。勝負は大関の経験に軍配が上がったが、21歳の若武者の初々しさは十分に出た。

【写真】阿武咲(左)は豪栄道に押し出しで敗れる=柴田悠貴撮影

 立ち合い。迷い無く踏み込んだ。大関の張り差しで右を差されたが、挟みつけるように押っ付けて一気に出る。この時、額が大関の胸に。押しの基本通りの形になっていた。

 だが、そこから形勢は反転する。一瞬、空間が出来たスキをつかれて肩すかし気味の引き技でバランスを崩した。素早く向き直ったが胸を突かれる。今場所初めて土俵を割った。

 引き揚げてきた阿武咲は「勉強ですね」と言った後、「立ち合い、思ったよりも下に入れた」とも話した。上位初挑戦の場所。思い切り攻めているからこそ収穫がある。敗戦からもまた一つ、未来をつかんだ。

 師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「気持ちでだけは負けるなと、言っている」という。「今は(横綱、大関に)当たることが幸せと思って、一生懸命やっている。『この人を押せた。崩せた』という自信が次につながる」

 照ノ富士の休場でついに3横綱、2大関が土俵から消えた今場所。東を見ると、番付最上位は関脇御嶽海だ。だからこそ若手に好機がある。勝ちっ放しが消え、優勝争いは大混戦。展開は見えない。だが、阿武咲が前半戦の清涼剤になっているのは間違いない。(竹園隆浩)


 ○日馬富士 「落ち着いて取れた」と、4日ぶりの白星。休場者が相次ぐが、「一番に対する気持ちは変わらない。積み重ねだ」。

 ●佐田の海 休場から復帰。「正直、怖さ、緊張、不安もあった。いかに稽古をしないといけないかわかった」

 ○十両の安美錦 珍手「とっくり投げ」を披露。3日目には同じ青森出身の大成道も繰り出していて、「巡業中にとっくりで一杯やりたいね」。


 ●千代大龍 結びの一番で日馬富士に完敗。「左で張られて差されて終わりですよ。何も考えずカチ上げたらよかった」

 ○豪栄道 「(阿武咲の当たりは)芯が入っていた。巡業でもよくけいこしていたし。意地? それを見せられて良かった」

朝日新聞社