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<竹久夢二>「西海岸の裸婦」当初は下腹部に布 葛藤の跡?

9/15(金) 21:41配信

毎日新聞

 美人画で知られる岡山県出身の画家、竹久夢二(1884~1934)が米国で制作した油彩画「西海岸の裸婦」の下腹部に、当初は布のようなものが描かれていたことがエックス線による分析で分かった。所蔵する夢二郷土美術館(岡山市中区)が15日発表した。同館は「夢二が裸体を描くことに葛藤していたことがうかがえる」としている。

 「西海岸の裸婦」(縦51センチ、横62センチ)は、金髪の白人女性が全裸で寝そべる姿を描いたもの。夢二が31~32年に渡米した際に描き、米国内で保管されていたが2015年12月に同館へ譲渡された。

 同館によると、保存修復作業のためエックス線で分析したところ、女性の下腹部を隠すように布のようなものが帯状に描かれ、その後白い絵の具が重ね塗りされていたことが判明した。夢二は米国滞在中の日記で「光の中でお前は真裸身だ。日本男児のつつましさを俺は恥じる」などとつづり、裸婦の表現にためらっていた形跡もあるという。

 美術評論家で、大原美術館(岡山県倉敷市)の高階秀爾(たかしな・しゅうじ)館長は「背景に太いストライプ模様があり、腰の布を描くと強いアクセントになってしまうと判断したのでは。当時の日本では裸体画が風紀上はばかられる風潮もあり、ためらいつつも完成度を高めるために手を加えたのだろう」と話した。

 作品とエックス線画像は16日から12月10日まで夢二郷土美術館で展示される。【石川勝己】

最終更新:9/15(金) 23:42
毎日新聞