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竹久夢二の裸婦画、当初は下腹部に布 迷った跡みつかる

9/15(金) 22:57配信

朝日新聞デジタル

 大正ロマンを代表する画家で詩人の竹久夢二(1884~1934)の油彩画「西海岸の裸婦」をX線調査した結果、初めは下腹部に布をかけた絵にしようとし、のちに全裸に描き直した跡が見つかった。夢二郷土美術館(岡山市)が15日発表した。夢二が絵筆の進め方に迷った形跡が見つかるのは珍しいという。

【写真】裸婦画のX線画像。下腹部にかけられた布がわかる=夢二郷土美術館提供

 岡山県出身の夢二は1931年に海を渡り、米国西海岸や欧州を渡り歩いた。全裸の女性が物憂げな表情で見つめてくる「西海岸の裸婦」は、米国にいた頃の作品とみられる。全国の美術館が所蔵する夢二の絵の中で、外国人の裸婦を描いた唯一のものとされる。

 「西海岸の裸婦」は、米国時代の夢二と交流があった写真家宮武東洋(1895~1979)が所有。宮武が第2次世界大戦中に強制収容所に入れられた際は知人の米国人が守った。一時行方がわからなくなったが、2014年、宮武の孫から夢二郷土美術館に連絡があり、15年に譲り受けて初公開した。その後、修復作業とともに赤外線やX線による分析を進めていた。

 竹久夢二学会長で大原美術館(岡山県倉敷市)の高階秀爾館長は「夢二は日本画ではめったに描き直しをしなかった。夢二が西洋人の肌の美しさをどう描き出すか、葛藤したことがわかる貴重な作品だ」と話す。

 「西海岸の裸婦」はX線画像とともに16日から夢二郷土美術館(086・271・1000)で公開される。(小川奈々)

朝日新聞社