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労働力不足なのに、サラリーマンの給料は上がらないのか

9/15(金) 11:45配信

投信1

「物の値段は需要と供給の関係で決まる」というのが、経済学の大原則です。労働力の値段、つまり賃金についても同様です。しかし、これだけ労働力不足が騒がれているのに、正社員の給料はなかなか上がりません。今回は、その理由について考えてみました。

非正規労働者の時給は、上昇している

アルバイトの時給等、非正規労働者の時給は、すでに労働力不足を反映して上昇しています。非正規労働者を正社員として囲い込もうという動きも出始めていて、非正規労働者の待遇は着実に改善しつつあります。それは、彼らの待遇は経済学の大原則どおり、需要と供給の関係で決まるからです(最低賃金の制約を別とすれば、ですが)。

これは、労働力不足の素晴らしい点です。最も恵まれていない失業者が仕事にありつき、次に恵まれていないワーキングプア(正社員になれず、非正規労働者として生計を立てるが、満足な収入が得られず貧しく暮らしている人々)の生活がマトモになっていくからです。

「釣った魚に餌はやらない」から会社は正社員の給料を上げない

非正規労働者は、時給を上げないと必要な人数が採用できないばかりでなく、今いる非正規労働者もライバルに高い時給で引き抜かれてしまいます。したがって、時給を上げざるを得ないのです。

非正規労働者の待遇が改善しているのに、正社員の給料が上がらないのは、正社員が会社から見て「釣った魚」だからです。正社員は、終身雇用で年功序列賃金ですから、賃上げをしなくても辞めないのです。

年功序列賃金というのは、若い時には会社への貢献よりも少ない給料を受け取り、ベテランになると会社への貢献より多い給料を受け取る(生涯を通じた損得はない)という制度です。したがって、正社員としては、会社を辞めて転職して「転職先への貢献度合いに応じた給料」を受け取るよりは、将来も今の会社にいて「貢献度合いよりも多い給料」を受け取った方が得なのです。だから、賃上げをしなくても辞めないのです。

初任給、中小企業の給料は上昇の兆し

正社員でも、初任給は上がり始めています。採用戦線が超売り手市場となっているため、初任給を引き上げないと優秀な人材が確保できないからです。学生が先輩訪問をしそうな若手社員の給料も、ある程度上げておく必要があるでしょう。

本来ならば、「学生が生涯所得を見て就職先を決めるので、全社員の給料を上げる必要がある」はずなのですが、実際には学生は若手の給料だけしか見ない場合が多いので、若手の給料だけが上昇しているのです。

中小企業にも、賃上げの兆しが見え始めています。中小企業は、大企業と比べて終身雇用、年功序列賃金の制度が明確でありませんし、大企業と比べると給料の水準がだいぶ低いので、賃上げをしないと大企業に労働者を引き抜かれてしまう可能性もあるからです。日本では労働者の多くは中小企業に勤めているので、中小企業の賃上げが本格化してくれば、素晴らしいことですね。

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最終更新:9/17(日) 13:25
投信1