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ガイド本作製や商標登録 国重文に泉坂下遺跡出土品 常陸大宮

9/16(土) 5:00配信

茨城新聞クロスアイ

常陸大宮市の泉坂下遺跡出土品が15日、国の重要文化財(重文)指定に官報告示された。貴重な財産の市民への周知や保存、活用を狙いに、市教委は小中学生に配るガイドブックの作製や、地元住民らによる遺跡保全会の発足、指定の決め手とされる「人面付壺(つぼ)形土器」や愛称「人面付土器いずみ」の商標登録などに取り組む。12月には、考古学の専門家を招いたシンポジウムを開く。

出土品は弥生時代、遺体を葬った後に骨だけをつぼ、かめに入れて埋めた再葬墓の様相を伝える良好な資料。重文指定61点のうち、土器の首に人の顔が形付けられた「人面付壺形土器」は高さ77・7センチあり、全国で発見された同様の土器17点の中で最も大きい。国の文化審議会は3月10日、文科相に文化財に指定するよう答申。その後、同遺跡も6月16日、国史跡指定の答申をした。

出土品と遺跡のダブル指定答申を受け、市は開会中の市議会に、同遺跡関連事業として約380万円の補正予算案を計上した。

市によると、ガイドブックはオールカラーで、弥生時代や遺跡、出土品などについて、絵や写真を多く掲載して分かりやすく説明する。5千部を作製し、11月下旬にも小学校の高学年児童と中学生全員に配る。

遺跡保全のため、地元住民や遺跡近くの上野小の児童や第二中の生徒らでつくる「泉坂下遺跡をまもる会」が10月11日に発足。遺跡の環境整備や盗掘防止の見回りなどを行う。同会は専門家らによる同保存委員会(川崎純徳座長)と共に、史跡説明の看板設置などを検討する。

商標登録により、民間企業が遺跡関連商品を開発しやすい環境を整える。

シンポジウムは12月2、3の両日、市文化センターで開く。弥生時代の再葬墓や泉坂下遺跡学術調査、人面付土器などをテーマに、講演や報告があるほか、土器を題材にした創作舞踊劇も行われる。

市教委文化スポーツ課の皆川嗣郎課長は「遺跡や出土品が、市の宝ということを浸透させたい」と話している。  (蛭田稔)

茨城新聞社