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日本のセルフストレージビジネスの可能性/株式会社キュラーズ代表、スポーン氏に聞く企業物語

9/16(土) 9:10配信

経営者online

近年急成長し、注目されているトランクルーム業界で実績・知名度共にリーディングカンパニーとしての地位にある株式会社キュラーズ。その市場の今後の展望を同社代表スポーン氏に伺った。また、今回は新企画として、代表からこれから社会を目指す学生たちに向けたメッセージを伺った。

■提供するのはエクスペリエンス

全国主要都市にトランクルームを展開している株式会社キュラーズ。同業界でのシェアは約25%に達し、オリコンの顧客満足度ランキングでは8年連続で1位を獲得し、高い評価を得ている。そんな同社だが、人気の理由はどこにあるのだろうか?

「私たちが持っている強みは、他社では感じられない『エクスペリエンス(体験)』を提供できることです」

そう話すのは同社代表取締役スティーブ・スポーン氏。2009年に来日して以来、陣頭で指揮を執っている。

「皆さんトランクルームと聞いて、どんな想像をするでしょう? 国道脇に山積みにされているコンテナ? それとも雑居ビルの1フロアでしょうか。我々キュラーズはそんなイメージとは全く異なります。内外装を徹底的にクリーンに改めたビル1棟を丸々用います」

よって、空調の管理やセキュリティを整備することができる。また、必ず各店舗には常駐のスタッフを置き、カスタマーサービスの充実も図っています、ともスポーン代表は話す。

キュラーズのビルには無料で利用できる駐車場も完備されている。

「自宅に収まりきらなくなった荷物を車に積んで、店舗に乗り付けたら、専用のカードキーを使って建物に入り、誰の目も気にすることなく荷物を収納することができます。24時間、好きな時に」(スポーン代表)

一般的なトランクルームはビル1フロアだけを専有することがほとんどなので、平均300平方メートルほど。しかしキュラーズはビル1つを使うので平均して面積は約10倍、3000平方メートルと圧倒的に規模が大きい。こうした余裕もキュラーズの魅力の1つだ。

「他では感じられない安心・満足を得ることができる。それゆえ我々のサービスは既存のお客様の満足度の向上だけでなく、同時に新規のお客様の開拓もしているんです」と、スポーン代表は自信を滲ませている。

■まだまだ眠っているニーズ

「そもそも、日本ではその住宅事情に対して、トランクルームの市場が小さ過ぎる」と話すスポーン代表から、今後の市場動向について伺った。

「日本のトランクルームの市場は、近年非常に高い伸びを示しており、この8年間で市場規模は約2倍増、500億円を超えるまでになっています。この成長は今後も続き、2020年には700億円に達すると予測されています」

しかし、それでも充分ではない。アメリカでは1970年代から「セルフストレージ」と言われる自宅外でのトランクルームが普及し始めたが、その市場はコンスタントに年10%前後の成長を続け、現在ではアメリカ全土でおよそ10世帯に1世帯が利用している。対して日本は約300世帯に1世帯。普及率は0.3%にとどまっている。

「住宅事情だけでなく、経済的な理由も鑑みても、今後20年間は継続的な成長が見込まれる、と考えています。セルフストレージは日本に向いているビジネスモデルなんです。皆さん、家にもう1つクローゼットがあったらいいな、なんて考えたりしませんか? そんな願いを叶えられるのがこのビジネスなんです」

■スポーン氏から学生に向けて

◆尊敬できるメンターと出会うこと

スポーン代表の経歴について伺った。

「両親が自営業だったので、小さい頃から経営には興味がありました。ただその頃はまだ、どんな会社をしよう、とは考えていなかった。それで、取り敢えずビジネススクールに進んで、マーケティングやマネジメントなどを学んでいたら、一番成績が良かったのが会計だった。それでまず会計士の道に進んだんです」

会計を学ぶことで数字に強くなり、分析力が身に付いたのは大きな経験でした、とスポーン代表は語る。

「これからビジネスの世界に入っていく学生たちに伝えたいのは、社会に出てから最初の5年から10年はたくさんのことを学べるチャンスだということです。その間、私も新人として様々な経験を積み、それが今非常に役に立っています。特に、ある会社で私のボスになった人が、私のポートフォリオ、過去に学んだことのなかった知識を得るポジションに配置してくれたことは大きかった」

そのボスが、私の「メンター」になってくれたんです、とスポーン代表は言う。

「メンター」は指導者・助言者と訳される。仕事の上で尊敬できる人物であり、また自分の将来のモデルにもなる。

「その人から経営に携わるポジションを任されて、今に至ります。そういう出会いがあったのは幸運ですが、同時に自分が与えられたポジションに全力で向かうことはとても大事ですね。自分のその姿勢を見てくれている人が必ずいて、そして『次はアイツにこれをやらせてみよう』と思ってくれる。そうやって、自分のスキルを深いところまで追求できるのが、社会人になって最初の10年だと思います。そして、その時の経験や出会ったメンター、人の繋がりが次の人生を作っていくのです」

◆成長している会社を選べ!

「今、ダイナミックに成長している会社を選ぶことはとても重要です。何故なら、そういう会社に入ると、キャリアパスをどんどん進んでいる先輩が必ずいるからです。そういう人が自分のメンターになるので、その人について行くことで、多くのことを学べるでしょう。成長している企業には、パフォーマンスの高い社員が数多くいるものです」

キュラーズ自身も創業は2001年とまだまだ若い会社だ。スポーン代表も、キュラーズは「ヤングカンパニー」だと言う。

「若く、成長している会社では、新しいことにトライできるチャンスも豊富です。私たちの会社でも、その大きな価値にリソースフル、得るものが豊富だということを挙げています。社員たちが自ら動き、学んでいける。自分でリサーチしたことを企画し、自分のイメージをビジネスにすることができます。そこで得られた人脈にも大きな価値があるでしょう」

新卒の新入社員には、どんなアドバイスをしていますか?と聞いた。

「『貪欲に多くのことを学べ!』と話しています。最初の10年間で学んだことが自分のキャパシティを高める、というのは私自身の経験でもあります。それが自分のその後のキャリアの道筋を決めてくれる。私は経験が浅い人にも将来値については高いものを求めていきます。それに応え、一人一人が自分の仕事をきっちりこなすことがその人を成長させ、そして会社の成長にも繋がるんです」

●プロフィール
スティーブ・スポーン氏…2009年に来日し、屋内型トランクルーム最大手である株式会社キュラーズの代表取締役に就任。 急成長を遂げたトランクルーム市場において、先進的な運営手法で注目を集め、新聞・テレビ等の各種メディアに多数出演。また、米国セルフストレージ団体主催のExpoにて講演を行うなど世界的なトランクルームサービスの普及・促進へ向け精力的に活動を行っている。

●株式会社キュラーズ
〒141-0032 東京都品川区大崎3-5-2
https://www.quraz.com/
年商:非公開
Tel:03-4563-1500
従業員数:175名(2017年1月現在)

2017年08月03日の記事より(提供:Biglife 21)

最終更新:9/16(土) 9:10
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