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北ミサイル 「どこに逃げれば」…仮設住宅では脆弱さに不安の声 宮城

9/16(土) 7:55配信

産経新聞

 東日本大震災で家を失った人がいまも暮らす仮設住宅。そのつくりは本設住宅より脆弱(ぜいじゃく)だ。北朝鮮の弾道ミサイルが列島を飛び越えた15日に訪ねてみると、暮らす人からは、不安やあきらめのほか、現実を直視する声も聞こえてきた。

 今回の緊急速報では避難先が「建物」とされ、これまでの「頑丈な建物や地下」から改められた。宮城県名取市にある美田園第1仮設住宅を歩くと、頑丈とは言いがたい木造の長屋が連なっている。

 間取りは2DKで、玄関を上がるとすぐ台所。もちろん地下室はなく、大きな掃き出し窓をはじめ、各部屋に窓があり、万が一に備えるなら、トイレか風呂に逃げ込むことになる。

 仮設住宅で暮らす海津亮子さん(80)は「戦争のとき、逃げ遅れて押し入れで息をひそめたことを思い出す。仮設だと強度が不安。いざその時、どこに逃げればいいんでしょうか」と打ち明ける。近くの伊藤作子さん(76)も「仮設の壁は薄い。避難所が近くにあったらいいなと思うけど」とつぶやいた。

 同じく仮設で暮らす遠藤美紀子さん(62)はあまり心配はしていない。

 「私たちはもっと怖いかもしれない震災と津波を体験した。ミサイルが落ちたらそのときはそのとき」

 小学校に通う2人の子供がいる母(40)は「子供はJアラートにも『電話がなっているよ』と平気そうだった。数年で仮設は出なければならない。その期間のために費用をかけて仮設の強度を上げるのは現実的でない」と話す。

 名取市の担当者によると、ここに限らず仮設住宅は本設住宅に比べ強度は劣るという。

 担当者は「ミサイルを想定した場合、構造上の強度不足はどうしようもない。工事などが必要になるかもしれないが、現時点では家の中や、集会所への避難を呼びかけるしかない」と話した。(林修太郎)

最終更新:9/16(土) 7:55
産経新聞