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北朝鮮ミサイルの脅威は? =過去最長だが精度低い

9/16(土) 7:30配信

時事通信

 北朝鮮が15日に発射した弾道ミサイルは、北海道上空を越え、約3700キロ飛行して太平洋に落下した。過去最長の距離を飛んだミサイルの脅威はどれほどか。

 ―発射されたミサイルは? 
 小野寺五典防衛相は、北朝鮮が8月29日に発射した中距離弾道ミサイル「火星12」との見方を示した。火星12は液体燃料エンジンで射程は5000キロに届くとされる。北朝鮮国営メディアは「大型重量核弾頭の装着が可能」と主張。その際は通常の角度で発射し、北海道上空を越え、高度約550キロで約2700キロ飛行した。

 今回のミサイルは、北朝鮮が発射した弾道ミサイルの中で過去最長の距離を飛んだ。小野寺防衛相も「性能と信頼性を着実に向上させていることを示す」と警戒を強めている。

 ―周辺国への脅威は? 
 金正恩朝鮮労働党委員長は8月末の火星12発射に立ち会い、「今後、太平洋を目標とする弾道ミサイル発射訓練を多く行い、戦略兵器の戦力化を積極的に進めなければならない」と話した。ミサイル発射が続く恐れがあり、日本越えも繰り返される可能性がある。

 北朝鮮は8月、火星12を4発同時発射し、島根、広島、高知各県の上空を飛行させて、米領グアム島周辺30~40キロの水域に撃ち込む計画を公表した。北朝鮮から約3400キロ離れたグアムには米軍基地が集中し、朝鮮半島有事が起きれば米軍機の発進地として日本防衛の重要な拠点となる。ただ、今回の発射では、米太平洋軍は「グアムに脅威を与えるものではない」と強調した。

 ―精度は? 
 米軍事専門家デービッド・ライト氏は、火星12が「初期世代」のミサイルで、上昇段階と大気圏再突入段階で誘導制御の問題を抱えていると指摘する。今回の飛行距離だと着弾地点に「5~10キロ以上の誤差」が生じると分析した。

 さらに、爆発規模が160キロトンとされる今月3日の核実験に使用された核爆弾をミサイルに搭載したとしても、グアムの米軍基地を破壊する確率は「10%を大きく下回る」と主張している。

 宇宙空間から大気圏に再び突入する際に生じる高熱から、弾頭を守る大気圏再突入技術について、北朝鮮はまだ未確立との見方が多い。今回の発射ではこうした技術のデータなどを蓄積する狙いもあったとみられる。(ソウル時事)

最終更新:9/16(土) 13:09
時事通信