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「拡張現実」に活路=スマホ市場成熟化で-iPhone10周年モデル〔深層探訪〕

9/16(土) 8:31配信

時事通信

 米アップルが定番スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の10周年記念モデル「X(テン)」を発表した。先端技術を凝縮した「スマホの未来」(ティム・クック最高経営責任者=CEO)を打ち出すことにこだわり、価格は11万円超と高級化。スマホ市場が成熟化する中、現実空間にコンピューター映像を重ね合わせる拡張現実(AR)など新しい体験の提供に活路を求めた。

〔写真特集〕iPhone X

 ◇創業者のビジョン
 「スティーブのビジョンと情熱はアップルのあらゆるところに息づいている」。クックCEOは12日の発表会で、創業者であり、2007年に初代アイフォーンを生み出した故スティーブ・ジョブズ氏の功績をたたえた。

 この日、アップルはジョブズ氏の発案でつくられたカリフォルニア州の新本社を初めて披露。敷地内にある1000人収容可能なホール「スティーブ・ジョブズ・シアター」に世界中の報道関係者が集まり、全面ガラス張りの外観や緑豊かな環境に感嘆した。

 従来機種の後継となる「8」「8プラス」に加えて、最上位モデルのXを発表。Xには画面を見つめるだけでロックを解除できる顔認証機能を導入したほか、高精細な有機ELディスプレーを採用するなど、惜しみなく先端技術を盛り込み、「次の10年への道筋」(クック氏)を示した。

 ◇市場は頭打ちに
 しかし、スマホ市場の伸びは鈍化している。米調査会社IDCによると、16年の世界のスマホ出荷は前年比2.5%増の14億7000万台と統計開始以来初めて一ケタの伸びにとどまった。

 同社は今後のスマホ出荷について、安定的な増加基調をたどり、21年に17億台に達するとの見通しを示しているが、半導体業界では「頭打ちに近づいている」(大手)との見方も出ている。利用者に新しいスマホの使い方を提案できるかが、盛衰を占うカギを握る。

 ◇スマホでAR
 アップルは今回発表したアイフォーン3種類で、ARへの対応を強化。ARはスマホ向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の大ヒットで一躍有名になったが、対応アプリの拡充とともに用途はゲームにとどまらず、さまざまな領域に拡大するとみられている。

 米IT業界では、グーグルが8月に新しいスマホ向けAR技術を発表したほか、フェイスブックもカメラを活用したARに力を入れる方針を示している。スマホで対応が進めばARが一気に身近になりそうだ。

 ◇3種類の新型iPhone
モデル名    発売日    税抜き価格              主な特徴
X(テン) 11月 3日 11万2800円~ 顔認証。 5.8インチ有機EL画面ホームボタンなし。無線充電
8      9月22日  7万8800円~ 指紋認証。4.7インチ画面。無線充電
8プラス   9月22日  8万9800円~ 指紋認証。5.5インチ画面。無線充電
(シリコンバレー時事)

最終更新:9/16(土) 8:53
時事通信