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外国人旅行者誘客へ山口の取り組み加速 防府・長門に観光案内所

9/16(土) 7:55配信

産経新聞

 山口県内で、外国人旅行者の誘客に向けた取り組みが、加速している。防府市と長門市が今月、利便性の高い駅構内に、観光案内所を開設した。中国人による「爆買い」が衰える中、隣県の広島空港に10月末、シンガポール便が就航することも、山口県の自治体は好機と捉える。(大森貴弘)

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 防府市は1日、JR防府駅構内に観光案内所を開設した。これまでは駅の外にあり、気づかない観光客もいたという。コンコースの一角を、JR西日本から無償で借り受けた。午前9時~午後6時まで、年中無休で観光客に対応する。

 日本人は当然だが、狙いは外国人観光客だ。観光案内所には2人のスタッフが常駐する。そのうち1人は英語での対応ができる。

 「正直、現時点で防府市に来てくれる外国人観光客は多いとはいえないが、潜在力は大きいはず。取り組み如何(いかん)では、伸びる余地は大きいと思う」

 防府市おもてなし観光課の田村裕之課長(45)は、こう力を込めた。

 平成28年1~12月、山口県内には約26万人の外国人観光客が訪れた。そのうち、防府市はわずか7千人に過ぎない。

 ただ、外国人誘客に取り組んでいなかった26年の2600人に比べると、3倍近くに増えた。

 防府市は、平成30年度予算に、海外でのPR活動費の計上を検討する。

 田村氏は「まずは海外での認知度を高め、旅行の目的地に選んでもらう。同時に観光案内所などで、外国人が時間のロスなく楽しめるようする。この2段構えで臨みたい」と語った。

 長門市も同じく1日、JR長門市駅構内に観光案内所を開業した。

 スタッフ1人が常駐し、営業は木曜を除く午前9時~午後5時だ。英・中・韓各言語のパンフレットを配布する。元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社など、世界的に有名な観光地を掲載した。

 山口県内の自治体が期待するのは、広島や福岡の空港から入国する観光客だ。

 広島空港には10月末、シンガポール航空系のシルクエアーが、週3便でシンガポール・チャンギ空港との直行便を開設する。

 ここ数年、日本のインバウンド(訪日旅行)市場は、中国人観光客が支えてきた。

 だが、中国政府当局が資金流出を規制したことで、急ブレーキがかかった。今後、訪日旅行への追加制限も予想される。

 このチャイナリスクに備えるには、東南アジアなど他エリアに、誘客の目を向ける必要がある。

 その点、チャンギ空港は、東南アジアのハブ空港として機能しており、インドネシアやマレーシアからの誘客も期待できる。山口県は九州各県と比べ、外国人誘客に出遅れたが、巻き返しへ態勢を整える。

最終更新:9/16(土) 7:55
産経新聞