ここから本文です

拉致実行犯特定、捜査続く=北朝鮮工作員、よど号メンバー―証拠収集・警察当局

9/16(土) 15:58配信

時事通信

 北朝鮮が日本人拉致を認めた日朝首脳会談から17日で15年。

 政府認定の拉致事件では、警察当局はこれまで、事件に関与した10人を特定し国際手配している。事件発生時の目撃者がおらず、物証が乏しい状況下で、外国の情報機関とも連携し、地道な捜査を続けている。拉致の可能性を排除できない事案についても全国の都道府県警が情報収集を進めている。

 政府認定の拉致事件は、1977年に新潟市から拉致された横田めぐみさん=当時(13)=など12件17人。うち帰国した蓮池薫さん夫妻=新潟県で拉致=や地村保志さん夫妻=福井県で拉致=の事件を含む7件では、北朝鮮工作員や日航機「よど号」ハイジャックのメンバーら10人の逮捕状を取得。国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配した。

 地村さん夫妻事件などでは、北朝鮮工作員辛光洙容疑者を手配し、北朝鮮側に身柄引き渡しを要求。

 83年に英国留学中に失踪した神戸市出身の有本恵子さん=当時(23)=拉致事件では、よど号のメンバーの一人・魚本(旧姓安部)公博容疑者(69)を国際手配した。

 80年に欧州で拉致された熊本市出身の松木薫さん=同(26)=と札幌市出身の石岡亨さん=同(22)の事件では、ハイジャックメンバーの妻2人を手配している。証拠収集では欧州の情報機関の協力を得たとされる。

 全国の警察は北朝鮮に拉致された可能性が排除できない行方不明者の捜査も進めており、対象は883人に上る。警察庁は2013年3月に「特別指導班」を設置。担当者が都道府県警を指導し証拠収集を進め、これまでに16人が拉致事件とは関係ないと判明した。

 新たな拉致被害者の認定に備え、拉致された可能性がある行方不明者の家族からDNA型試料の採取を実施。これまでに673人から採取したという。

 ただ、政府の拉致被害者の新たな認定は、06年の松本京子さん=鳥取県で失踪、当時(29)=以降はない。ある警察幹部は「北朝鮮が拉致をしたかどうか一番よく知っている。間違って認定すれば、向こうに付け入る隙を与えてしまう」と説明。「今後も情報収集や排除できない事案などについて粘り強く証拠を集める」と話した。 

最終更新:9/16(土) 16:29
時事通信