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<福島・前方後円墳>石棺から成人男性の全身人骨 

9/16(土) 22:52配信

毎日新聞

 ◇5世紀ごろの「灰塚山古墳」 ほぼ完全な状態 東日本で初

 福島県喜多方市で古墳時代中期(5世紀ごろ)に築造された大型の前方後円墳「灰塚山古墳」の石棺から、成人男性の全身人骨が見つかったと、東北学院大(仙台市)の発掘調査チームが16日、発表した。同時期の古墳から保存状態の良い全身人骨が出土したのは、東日本で初めてという。埋葬者は地域を支配した豪族とみられ、チームの辻秀人教授(考古学)は「(DNA鑑定など)最新科学を使えば、当時の支配者の姿に迫れるのではないか」と指摘している。

 人骨は石棺(長さ2.2メートル、深さ20センチ前後、最大幅85センチ)から見つかった。身長150~160センチで、両肘から先と両足首以外の全身の骨が、ほぼ完全な状態で残っていた。上下の顎(あご)に残る歯数本の擦り減り具合から60代で死亡し、背骨の状態から腰痛を患っていた可能性がある。

 辻教授によると、石棺を組む板石を二重にし、その隙間(すきま)を埋めるように外側を20~30センチの粘土で固め、さらに土をかぶせる三重構造だった。このため石棺内に土の流入が少なく人骨が影響を受けにくかったとみられ、辻教授は「これだけ丁寧な造りは、全国的にもあまり見たことがない」と話す。

 灰塚山古墳では2011年から調査が続いており、昨年の調査で石棺の上から鉄製の剣や矢尻など大量の副葬品が出土し、大和王権との深い関係が指摘されていた。

 古墳の約1キロ南に、東日本最大級で古墳時代の豪族の居住跡とされる国指定史跡「古屋敷(ふるやしき)遺跡」があり、辻教授は「埋葬者は古屋敷に居た豪族とみられ、大和王権の中枢と関係が深かったと考えられる」と語った。【湯浅聖一】

最終更新:9/17(日) 10:53
毎日新聞