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認知症スタッフが生き生き接客 「注文をまちがえる料理店」

9/16(土) 7:55配信

産経新聞

 ■東京・六本木 きょうから3日間/笑顔の客席「ま、いいか」

 認知症の人々がホールスタッフとして働くレストラン「注文をまちがえる料理店」が16~18日の期間限定で、東京・六本木のレストラン「RANDY」内に出店する。6月のプレオープンイベントではオーダーや配膳の間違いが相次いだが、スタッフが生き生きと働く姿が注目された。目指すのは、認知症患者と社会の“心地よい共生”だ。

 「お待たせしました」

 テーブル席に、スタッフが運んできたのは、ストローがついたホットコーヒー。別のテーブルではサラダとスプーンが到着。だが、客は笑顔でそれを受け入れた。

 6月のプレオープンイベントでは認知症の6人がホールスタッフとして働き、関係者ら約80人が来店。アンケートでは9割超の人が「また来たい」と答えた。

 企画の発起人であるテレビ局ディレクターの小国士朗さん(38)は「『ま、いいか』と思える寛容な気持ちは、働く人にとってもお客さまにとっても、居心地のいい空間を生み出すと確信した」と語る。

 小国さんがそのことに気付いたのは約5年前。取材で認知症の人々が集うグループホームを訪れたことがきっかけだった。

 振る舞ってくれるというハンバーグを待っていると、出てきたのはギョーザ…。

 あれ、ハンバーグでしたよね。そんな言葉が喉元までこみ上げたとき、ある思いがよぎった。

 <別にいいじゃないか>

 「注文をまちがえる料理店」はそんな“気づき”の場につながればとの思いで発案。昨秋、介護のプロたちらの協力を得て、実行委員会を立ち上げた。

 食事はプロの料理人が用意し、今回は60~80代の認知症の人々がホールスタッフとして接客。参加チケットは運営を支援した人らに割り当てたが、若干の当日券も用意する予定という。

 「間違いがあっても、一生懸命働くスタッフの姿を見る中で『寛容になるってこういうことかもね』と少しでも感じてもらえれば」と小国さんは話している。

最終更新:9/16(土) 7:55
産経新聞