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宮城全共“舞台裏” 晴れ姿 黒々と輝く毛づや 愛牛だから 人間以上にケア

9/16(土) 12:02配信

日本農業新聞

 輝く黒毛はまさに和風美人――。11日まで仙台市で開かれた全国和牛能力共進会(和牛全共)で、その結果と併せて注目を集めたのが、磨き抜かれた牛の美しい黒毛だ。「あの美しいつやつやな黒毛は、どうやってケアしているのか」。5年に1度の晴れの舞台で、真剣そのものの最終比較審査ではなかなか聞けなかった素朴な疑問を、出場関係者にぶつけた。

 大会では体型や成育具合といった牛の能力を審査するが、品格も重要な要素の一つ。会場には、日本一を争う毛並みつやつやの黒毛和牛がずらり並んだ。関係者によると、日頃のシャンプーは「当たり前」。自分が使う製品より高級品を使う農家もいるなど、万全のケアで大会に臨んだ。

シャンプー厳選

 北海道池田町の多田隆弥さん(26)は、初めて第7区(総合評価群)で代表として出場した。輝く黒毛の秘密は「最高級シャンプー」だ。7月から最終比較審査当日まで毎朝、牛の体をシャンプーし、その後はリンス(すすぎ液)をタオルで牛の体にすり込むようにして毛並みを仕上げた。人間用の最高級シャンプーとはいえ、牛と相性が良いのかどうか分からないが、保湿力が高く、毛づやと潤いを保ってくれるという。

 岐阜県から第5区(繁殖雌牛群)と第7区に出品した下田広司さん(39)は、地区予選を勝ち抜いた7月以降は毎日水で体を洗い、3日に1度はシャンプーする。こちらも使うのは「自分が使う製品より高級品」。つや出しとマッサージのためのブラッシングも欠かさず、1本5万円もするブラシを購入した。

2時間前が最適

 第4区(系統雌牛群)に出品した兵庫県香美町の淀貴至さん(40)は、「但馬牛」の特徴を際立たせる手入れに力を入れた。経験上、牛を洗うタイミングは審査時間の2時間前が最適で「骨が細く締まって見える」という。使うシャンプーは、但馬牛独特の細く柔らかな毛質が生きるよう、人間用や動物用など多くを試して、ある製品にたどり着いたという。

 第3区(若雌の2)に出品したJA鳥取中央の畜産課長、大森智司さん(47)は「雌らしい品位」を見せることに心を配る。牛のシャンプーは人用の「ぱさつきを抑えるタイプ」を選び、顔や耳も人用のバリカンを使って整えた。

健康な体が一番

 もちろん、牛の美しさは健康な姿が最も重要だ。中国・四国地方から出品した60代の男性農家は、出品前のシャンプーは欠かさないものの、「良い餌を与えて、しっかりとした健康な姿に保つことが牛の本物の美しさ」と強調する。

日本農業新聞

最終更新:9/16(土) 12:02
日本農業新聞