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「またか」「逃げろと言われても」 北朝鮮の弾道ミサイル発射にとまどう北奥羽住民

9/16(土) 11:05配信

デーリー東北新聞社

 北朝鮮が弾道ミサイルを発射した15日、北奥羽地方の住民は「どこに避難すれば良いのか」と戸惑いと不安をにじませた。繰り返される“暴挙”に「またか」と憤りの声も。全国瞬時警報システム(Jアラート)が鳴った時間は午前7時ごろ。通勤、通学時間と重なる人が多く、突然の警報への対応の難しさも改めて浮き彫りになった。

 最初のJアラートが鳴った時刻、三沢市下久保、アルバイト秋田弘さん(70)は自宅で起床したばかりだった。ミサイルは10分も経過しないうちに日本上空を通過し、「逃げろと言われてもどこにも行けない。危機を感じたら布団をかぶって寝るしかない」とうんざりした様子で話した。警報で目を覚ました久慈市川崎町、自営業佐々木仁さん(31)も「避難しろと言われても近くに頑丈な建物がない」と困惑気味だった。

 新幹線で東京に向かうため、JR八戸駅にいた八戸市売市、障害者施設園長の北村道子さん(71)。ミサイル発車で新幹線に遅延が発生し、「『またか』と思った。市民の生活にも影響が出るので許せない」と憤った。むつ市大畑町では「大畑祭り」で早朝から山車を運行しているさなかにミサイル発射情報が。本町町内会の横田雄哉さん(37)は「近くに落ちないよう祈るように運行を続けた。祭りが中止にならなくて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 国連安全保障理事会が制裁を決議したにもかかわらず、新たな挑発行為に出た北朝鮮。二戸市石切所、主婦鈴木真奈美さん(39)は「不安で仕方がない」と口にしつつ、日本政府に対し「挑発に乗ってしまえば、戦争に突入する可能性もある。国は冷静な対応をしてほしい」と訴えた。

 午前7時に競りがスタートする直前に、防災無線が響き渡った八戸港の八戸市第3魚市場。競りと水揚げは一時中止となり、ミサイル着水後の7時10分ごろに再開された。中型イカ釣り船などを所有するヤマツ谷地商店(八戸市)の谷地源次郎社長は「日本海に落ちればイカ釣り船、太平洋だとサンマ船で気が気でない。経済制裁でも発射を防げないのでは、もう打つ手がないのではないか」とため息をついた。

 八戸市内の小中学校では、連絡網に登録している保護者に対し、不審物などへの注意を呼び掛けるメールを送信した。市教委の担当者は取材に「ミサイル発射などの事案が続くのであれば、児童・生徒の安全確保の方法を考えなければならない」としながらも、「登校中であれば、警報が鳴っても注意を呼び掛けるのは厳しい面もある」と対応の難しさを口にした。

デーリー東北新聞社