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青森・八戸田向地区の「毘沙門のイチョウ」、樹勢に回復の兆し

9/16(土) 11:08配信

デーリー東北新聞社

 本年度から樹勢回復に向け本格的な治療が始まった青森県八戸市田向地区の「毘沙門のイチョウ」に、回復の兆しが見えてきたことが15日、分かった。葉の厚みが増し、新たな根が生えるなどの変化が確認された。ただ、衰弱の原因であるナラタケ病の進行は深刻で、依然として予断を許さない状況だ。

 田向土地区画整理組合が開いた公開樹木診断で、県樹木医会の斎藤嘉次雄さん(70)が明らかにした。

 斎藤さんらは5月から5回、ナラタケ菌糸の除去や土壌改良、接ぎ木などの治療を行ってきた。幹から新たな枝が芽吹き、昨年より多くのギンナンを実らせるなど回復の兆候もあったが、菌糸は地下約1メートルもの深さまで根を侵食していた。

 回復にかかる期間はまだ見極められないといい、斎藤さんは「できることは全部やっている。人間と同じで体力がないと手術できず、回復させながら病気の元を除去していくしかない」との見解を示した。

 公開診断には市民ら約10人が参加した。同市吹上の主婦西山チエさん(70)は「こんなにひどい状態でも頑張っていて、生命力に感動した。何とか元気になって」と回復を祈った。

 毘沙門のイチョウは、区画整理によって2006年に田向地区の別の場所から移植された。高さ約21メートル、幹回り6・55メートルで、樹齢は550年と推定される。

デーリー東北新聞社