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<米国>ミサイル常時監視 北朝鮮は陽動作戦で対抗?

9/17(日) 18:11配信

毎日新聞

 【ワシントン会川晴之】米国の偵察衛星などが北朝鮮の弾道ミサイル発射状況に対する監視を常態化させ、北朝鮮に圧力をかける。一方の北朝鮮側も、この事態を十分に把握しており、陽動作戦で応じている。

 7月28日の発射実験から2週間近く前、北朝鮮は1回目に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した平安北道亀城(クソン)にミサイル発射用の移動式車両(TEL)を運び込んだ。米メディアはこの情報をもとに「亀城で再発射の兆候がある」と報じた。

 だが2度目のICBMは、亀城から130キロ離れた北部慈江道舞坪里(チャガンドムピョンリ)から発射された。過去に弾道ミサイル発射の前例がない場所であることに加え、偵察衛星による監視が難しい深夜の発射だったことから、北朝鮮国営メディアは「奇襲発射能力を示した」と主張した。

 だが、北朝鮮のこの主張に疑問を投げかける見方も多い。

 北朝鮮の核・ミサイルの動向に詳しい米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのジェフリー・ルイス博士は、商業衛星写真などの分析をもとに「舞坪里に弾道ミサイル保管施設がある」と2014年に指摘している。7月末の「火星14」発射は、まさにこの施設の中庭から発射されており、米情報当局が重要監視地点に選び監視を続けていた可能性が高い。

 米軍事専門家によると、北朝鮮で監視活動に当たるのは大型の無人偵察機「RQ-4グローバルホーク」が中心と見られる。

 高度1万5000メートル以上の高高度を飛ぶ能力があり、最大34時間飛行できる。数多くのセンサーを搭載し、雲があっても、夜間でも監視できる。車両の動きをレーダーで追跡し、赤外線センサーやカメラでミサイル発射の兆候などを24時間態勢でキャッチするほか、リアルタイムで画像送信もできる。

 ただ、北朝鮮領空への派遣は危険が伴う。地対空ミサイルで撃墜される可能性があるためだ。米軍事専門家は「黄海や日本海の国際空域から監視を続けているのではないか」と指摘する。

 10年に米領グアム島にあるアンダーセン空軍基地に配備された。14年以後は、台風シーズンの5月から秋にかけて米軍三沢基地(青森県三沢市)、米軍横田基地(東京都福生市など)に暫定配備されている。今年も5月に横田基地に4機が飛来した。米空軍第9偵察航空団第69偵察航空群第1分遣隊長のジェレミー・フィールズ中佐は記者団に「私たちは偵察と情報収集を任務としている」と説明している。

 グローバルホークのほか、米軍は高度2万メートル以上の高空からの偵察能力があるU2偵察機4機を韓国の烏山空軍基地に配備、今年6月からは滑走路補修を名目に沖縄の嘉手納基地に暫定配備している。さらに偵察衛星や、電子偵察機など他の情報収集手段を組み合わせて北朝鮮への監視・警戒活動を続けていると見られる。

最終更新:9/17(日) 22:37
毎日新聞