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ジビエ“農村産業”に 捕獲・加工・流通 人材や施設 整備後押し 農水省がモデル事業

9/17(日) 7:00配信

日本農業新聞

 農水省は2018年度、野生鳥獣の肉(ジビエ)の利活用の拡大に向け、鳥獣の捕獲から肉の流通までを円滑に進めるモデル地区づくりに乗り出す。全国12カ所程度を設定し、大規模な加工処理施設や捕獲現場で解体処理できる車両の整備、人材育成などの費用を助成、ジビエの販売で利益を上げる体制を農村で構築する。19年度にジビエの利用量倍増を目指す。

 捕獲した野生鳥獣のうち、ジビエとして利用される個体数は1割程度にとどまっているのが現状で、利用量を増やすには捕獲後、運搬から処理までの衛生管理を徹底し円滑に進められるかが大きな課題だ。保冷・搬送設備の導入の他、捕獲や食肉処理、流通など各事業者の連携が必要になる。

 同省は18年度予算概算要求に盛り込んだ「ジビエ倍増モデル整備事業」で、こうした環境が整った地区をつくる。従来の鳥獣被害防止対策と合わせ、17年度から58%増の150億円を要求した。

 同事業では衛生管理を徹底し、解体処理や精肉に加工できる施設整備を支援する。地域の狩猟者や周辺の処理施設からも鹿やイノシシなどを集めて、まとまった量を飲食店などに安定供給できる中核施設に位置付け、ジビエの販売をビジネスとして軌道に乗せる。捕獲現場に出向き、車内で解体処理できる「移動式解体処理車」も整備する。

 モデル地区での連携を強化するため、行政や加工施設、流通業者、狩猟者らでつくる協議会の運営も後押しする。鳥獣の捕獲や解体処理、ジビエの販路開拓など、各段階での技能を向上させる研修会の費用も助成、人材育成につなげる。

 政府はジビエの販売を農村の経済成長の起爆剤にしようと、菅義偉官房長官を議長とする関係省庁会議を4月に設立。同会議の指示を基に農水省はジビエの流通体制の整備方針をまとめており、今回の事業で方針を具体化させた。

日本農業新聞

最終更新:9/17(日) 7:00
日本農業新聞