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日本政府、医師の “暗黙知” をデジタル化 医療機器に「手技」搭載へ

9/17(日) 8:01配信

日刊工業新聞電子版

■ICT活用、革新的な高度医療機器生み出す

 政府は、情報通信技術(ICT)を活用し、一人ひとりの医師が培った経験や感覚をデジタル化して織り込んだ医療機器を開発する。優れた手術や手技、判断などをICT活用により模範データとして確立し、革新的な医療機器やシステムに落とし込む。

 2018年度末までに医療機器開発の基本スペックとして活用する予定。限られた数の医師の高度な技術が、多くの医師によって正確に再現できるようになれば、医療全体の質の向上にもつながる。

 日本医療研究開発機構(AMED)が、研究開発グループを公募、採択し、進捗(しんちょく)管理する。開発期間は17―18年度の1年半程度。企業や大学、学会、医師などが協力しながら進めることを想定する。

 医療現場において、医師たちの“暗黙知”になりがちなケースを特定。その上で、機械が認識できる形でデジタルデータとして確立、蓄積していく計画だ。

 収集するデジタルデータの項目や格納方法、情報管理の手法などは今後詰める。手技などを再現できる医療機器のスペックについて検討し、革新的な機器の開発につなげる。

 開発イメージとしては、例えば、医師の優れた手術や手技を分析し、カギとなる手や腕の動きを抽出して、手術器具などに落とし込むといった形を想定している。成果のいくつかは、AMEDが実施している開発テーマ「スマート治療室」に取り込むことも期待できる。

 政府が3月に開いた「次世代医療機器開発推進協議会」では、医療機器開発のイノベーションを創出し続けていくために、AMEDを中心にICTの活用を提示。ICT活用により、医療現場のニーズや医療技術の可視化を促進していく必要性を打ち出していた。