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豊富な戦力に緻密な育成、V奪還ホークス工藤監督が3年間で積み上げた成果

9/17(日) 9:30配信

Full-Count

先発ローテ3本柱が怪我がちも、台頭した若手投手

 7度、宙を舞った。厚い信頼を寄せる選手達の手によって、工藤公康監督が胴上げされた。マジック1で敵地に乗り込んだ16日の西武戦。勝つか、引き分けでVが決まる一戦は、まさにソフトバンクの今季を象徴する戦いだった。

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 先発は東浜。今季、飛躍的な成長を遂げた右腕が6回2安打1失点と好投した。打線の核としてチームを牽引した柳田が、4回に30号逆転2ランを放つなど2安打3打点すると、V奪還のために補強したデスパイネが33号ソロを放つなど3打点。7回はモイネロ、8回はチーム最多登板数を誇る岩嵜とつなぎ、6点差あっても、最後はサファテを投入した。

 89勝41敗の貯金48。結果的に見れば、2位西武に14.5ゲーム差をつけての独走Vだった。9月16日での優勝決定は、パ・リーグ史上最速だ。昨季は日本ハムに大逆転され、V逸。至上命令だったV奪回の実現は、就任3年目を迎えた工藤公康監督が、この3年間で積み上げてきた成果と言えるものだった。

 今季は主力、特に先発投手陣に負傷者が続出した。左肘遊離軟骨の除去手術を受けた和田毅、左背部の張りを訴えた千賀滉大、右肩炎症の武田翔太と、ローテの柱となる3人が次々に戦列を離れた。並のチームであれば、一気に下位に沈みかねない危機的状況。その中で踏ん張ることができたのは、指揮官が育てた若手の力が大きかった。

 3投手がチームを離れた間に、ローテの一角を埋めたのは石川柊太、松本裕樹の若い2人だった。昨季、育成から支配下となった石川は今春キャンプでA組に抜擢され、アピールが実って開幕1軍入り。中継ぎで結果を出すと、先発へ配置転換され、ここまで7勝をマークしている。2014年ドラフト1位の松本裕もキャンプでA組に入り、工藤監督の直接指導を受けて、先発のチャンスを得た。

救援に頼った今季、同時に基本は3連投まで

 そして、チームの大黒柱として、チームトップ、ハーラートップタイの16勝を挙げている東浜巨は、指揮官が就任してから、期待をかけ、鍛えてきた“チルドレン”。もともと屈指の戦力層を誇っていたソフトバンクだが、そこに胡座を欠くことなく、育成にも力を注いできたことが、チームの窮地を救った。

 今季は接戦続きだった。打線が爆発し、圧勝した試合は、意外に少ない。2桁安打は41試合。V逸した昨季でも55試合だったことを考えれば、やはり少ないと言える。効率よく点を奪ったものの、なかなか大差をつけることは出来なかった。それに加えて完投能力のある、主戦力になるべき投手が離脱していたこともあり、リリーフ陣にはかなりの負担がかかった。

「本当にお礼の意味を込めて、今日は投げさせたいと思っていました。彼らがいなかったらどうなっていたか、分からないくらい、8月、9月は厳しい戦いがいっぱいあったので。その中でもしっかり絶対に負け越さない、リードをそのまま終わらせてくれたのが彼ら。本当によくやってくれたと思いますし、絶対に勝つんだという気持ちが出ていたシーズンだった」

 セットアッパー岩嵜翔の68試合を筆頭に、守護神サファテが63試合、森唯斗が55試合、約1か月の登録抹消期間のあった嘉弥真新也も50試合、6月中旬に支配下登録され、1軍昇格したリバン・モイネロも3か月で31試合に投げた。明らかに登板がかさんだ。

 ただ、その中でも指揮官は最低限のリスクヘッジは行なっていた。連投こそあれ、最大で3日連続にとどめ(モイネロだけは4日連続があるが…)、3日連続投げれば、必ず1日以上の休養を与えている。岩嵜は最大5連投があるものの、この時も1試合→試合なし→2試合→試合なし→2試合。昨季までの2シーズンに比べれば、先発を引っ張るよりも、早め早めの継投に踏み切った感は強く、中継ぎ陣を酷使はしたものの、その中でも懸命にマネージメントしていたことが分かる。先制した試合は71勝8敗。6回終了時点でリードを奪った試合は73勝1敗と、驚異的な強さを誇ったのは、このリリーフ陣がいてこそだった。

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最終更新:9/17(日) 10:00
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