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社説[あす「敬老の日」]世代間交流を深めよう

9/17(日) 9:25配信

沖縄タイムス

 15日は老人福祉法に基づく「老人の日」で、この日から1週間が「老人週間」。9月の第3月曜日の18日は、国民の祝日に関する法律で定められた「敬老の日」にあたる。

 この機会に取り上げてみたいのは総務省や沖縄県などの統計資料からみた「2025年の超高齢社会像」である。

 沖縄県は他府県と違って、将来推計人口が25年まで増加する見通しである。ただし、沖縄でも25年前後をピークに、それ以降は減少する。

 沖縄県の人口は25年には4人に1人が65歳以上の高齢者になる。高齢化率は全国の30・3%に比べればまだ低いものの25%に上昇し、超高齢社会(高齢化率21%超)となる。

 全世帯に占める高齢者世帯の割合も増え続け、25年には34・3%に。高齢者世帯に占める単独世帯の割合も増え続ける見通しだ。

 高齢者が増えれば要介護(要支援)高齢者も増えることが予想されるが、生産年齢人口(15~64歳)は逆に減少傾向が続く。

 その結果、財政が圧迫され、医療や介護サービスなどの利用者負担が増える。

 人口増加がみられる今は、まだいい。だが、25年以降の沖縄社会像は、「まだ先」の話ではなく、「すぐそこ」に迫っている話、として受け止める必要がある。

 超高齢社会への移行は、沖縄社会の各方面に、極めて大きな変化をもたらすことになるだろう。

 影響は、保健、医療、福祉、介護サービスなどの分野にとどまらない。

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 沖縄戦体験者が減り続け、25年ごろには、戦後世代の語り部へのバトンタッチが進んでいるはずだ。

 高齢者だけの世帯が増えることによって、若い人たちは日常会話の中で「しまくとぅば」に接する機会が減り、衰退に歯止めをかけるのが難しくなる。

 米軍統治下の戦後体験に至っては、継承の取り組みが十分でないため、歴史の記憶が希薄化するおそれがある。

 世代間で考え方やものの見方が異なるのは、どこでもみられる現象ではある。

 ただ、沖縄の場合、本土と異なる歴史を歩み独自の文化を育んできたため、継承という問題は、将来の沖縄像、県民アイデンティティーを考える上で無視できない重みを持っている。

 培った技術の伝達や体験の継承、交流と支え合いなど、世代間のつながりを深めることが、これからますます重要になるだろう。

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 高齢化社会から高齢社会を経て超高齢社会へ。

 全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は確実に高まりつつあるが、高齢者をひとくくりにできないほど、一人一人の高齢者は多彩で多様だ。

 高齢者間の経済格差の広がりも無視できない。特に1人暮らしの高齢者の貧困率は高い。

 低成長と非正規雇用の拡大で、若者の経済力だけでは親を支えきれなくなっている。

 高齢者が抱える問題は実に多岐にわたるが、超高齢社会を乗り切るためには世代間のつながりが欠かせない。

最終更新:9/17(日) 9:25
沖縄タイムス