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緞帳に採用、棟方志功の板画原画や改作計4作品一堂に/弘前

9/17(日) 13:51配信

Web東奥

 青森県弘前市民会館の緞帳(どんちょう)に採用されている棟方志功の板画原画や改作計4作品が、16日から弘前市立博物館で始まった企画展「花物語 暮らしをよそおう」で初めて一堂に集められ展示されている。似たような構図ながらも異なる表情を見せる作品群が話題を呼んでいる。

 緞帳の原画は、色彩の印象が異なる「御鷹揚(おんたかあ)ゲノ妃々達々」(1963、64年、同博物館蔵)の2枚。市民会館は64年5月に落成したが、志功は同月東京で開かれた美術展に、この作品の左端だけを外して別の板をつなぎ合わせ改稿した「道標の柵」を出品。さらに10年後の74年元旦、改稿部分を外した上、版を逆さにした「揚鷹妃(あげたかひ)の柵」を刷っている。

 このうち「揚鷹妃の柵」はこれまで所在が不明だったが、4月に市内の男性が同博物館に寄贈。今回はこれに棟方志功記念館(青森市)の「道標の柵」を加えた4枚を展示している。

 16日にギャラリートークを行った学芸員の三上幸子さんは、作中の女性たちが四季折々の花で飾られていることや、中央に弘前の象徴でもある鷹が描かれていることなどを指摘しながら「女性が心なしか都会的な印象で、鷹があまり目立たない配色となった『道標の柵』と比較すると、前2作では、より弘前という土地を意識していたと言える」などと解説。「志功は不満だから改作したのではない。四つがそれぞれ独立した作品となっている」と述べた。

 同市の岩谷百合子さん(70)は「力のある作品ばかりだが、やはり見慣れた緞帳の絵が明るく華やかで好きです」と話していた。

 同展は、桜の街・弘前の人々が、花を題材にした絵画や工芸などを、どのように暮らしの彩りとして取り入れてきたかを紹介している。11月12日まで。一般280円、高・大学生140円、小・中学生80円。

東奥日報社

最終更新:9/17(日) 13:51
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