ここから本文です

あと8年も経たないうちに必ず訪れる「2025年問題」 報道されないリアルな将来とは

9/18(月) 8:01配信

マネーの達人

2025年問題、報道されないリアルな世界

■人口減と超高齢化社会

政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏が警鐘を鳴らす「2025年問題」を、

「これから10年間で、日本の人口は700万人減ります。15歳~64歳の生産年齢人口が7000万人まで落ち込む一方で、65歳以上の人口は3500万人を突破する。2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類が経験したことのない『超・超高齢社会』を迎える。」

と説明しておられます。

人口減は経済成長の足かせになることをを意味していて、超・高齢化社会加速は社会保障制度の疲弊を意味します。

疲弊ならまだしも破綻の危機があると指摘されています。

人口減に関しては、東京オリンピックが終わったあとでも現在と同水準の人口を維持できるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と、愛知・沖縄・滋賀のみで、青森・岩手・秋田・山形・福島の東北各県や、中四国の大半の県は、軒並み1割人口を減らすと見られています。

都会と地方の格差は広がるばかりです。地方の人口減少の深刻化、地方の悲鳴が聞こえてきそうです。


■少子化問題はさらに深刻です

先進国には社会の高齢化はつきものです。成熟した先進国は、社会の高齢化は受け入れなければなりません。

問題は少子化の方です。

これは対策を講じている国とそうでない国では、未来予想は大きく変わってきます。

アメリカのように、人口減少を移民政策でくい止めている国もあれば、フランスのように、出生率改善と向き合っている国もありますが、日本は少子化対策に関しては全くの無策と言っていいほど、何の対策もとられていないのが現実です。

それは選挙の投票行動と関係していて、高齢者は投票に行きますが、日本の若者は投票に行かないことにより、政治家の関心が、どうしても高齢者対策に偏っていることに問題があるとも言われています。

少子化は、そのまま生産人口の減少につながり、それは国の税収減として表れ、国の経済発展にも悪影響を及ぼします。

つまり2025年問題は「人手不足」と「お金がない(財政危機)」ということなのです。


■働き方の変化

若者が減り高齢者が増えると、働き方が変わると言われています。

生産年齢人口が減り、税収が減るイメージはありますが、労働力人口が高齢化することにより、労働の質が変わることが予想されます。

厚生労働省のデータによれば、2000~2010年の10年間で、事務職や工業系技術者は14%、農家や漁師は30%、また土木作業者や建設技術者は40%も減っていて、一方で、介護関係職員は倍以上に増加し、葬儀関係者も1.5倍に増えています。

この傾向は、2025年までにますます加速すると言われています。

若者が減り、老人が増えることは、何かを作る仕事に携わる人が減り、介護や葬儀に携わる人が激増するという見方もできそうですが、それでも介護にかかわる人手不足が解決するわけではありません。

むしろ、これからますます深刻になっていくと思われます。

生産年齢人口の減少、労働力人口高齢化を補うのがAI、いわゆるロボット技術だとすれば、なんとなくうなずける気がしますね。

「1億総活躍」とか「働き方改革」という大号令は、なんか生産年齢人口減少を意識した話に思え、国民の労働の質を改善する話ではないような気がしますよね。

人口減と移民問題は常に一緒に語られますが、移民受け入れは、「安い労働力の輸入」という側面がどうしても離れず、この観点から、今の労働者は淘汰されることが想像されます。

これから生き残れる労働者とは…

海外労働者が増えても大丈夫な働き方、AIにとって代わることができない働き方とは…

労働環境のグローバル化、多様化をネガティブにとらえず、時代に求められる人材に自分を変えるという意識を持った人だけが生き残れる、つまり、ポジティブに発想を変えられるかどうかが、これからの労働者に求められることだと思います。


■認知症

厚生労働省は2015年1月、「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を発表しました。

この中では、認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値が発表されています。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となります。

認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しです。

社会現象としては、全国民の10人に1人が、程度はともかく認知症になっているようです。

現時点でも、軽度のものを含めれば、少なくとも820万人が認知症を患っているという厚労省のデータがあります。

国際医療福祉大学教授の高橋泰氏は、2025年には今の1.5倍、1200万人以上が認知症になっていてもおかしくないと指摘しています。

若年性認知症も増えているようで、生活習慣病からのさまざまな病気が問題となってくるでしょう。

この認知症の増加は、未来の社会構造に大きな変化をもたらせます。

生産者人口への影響もそうですが、医療、特に介護の世界の必要性が増し、同時に人手不足も深刻化していきます。


■皆保険制度の崩壊危機、医療機関の破綻続出

その医療・介護の世界も深刻な状況に追い込まれていきます。

すべての国民が等しく医療を受けることができる国民皆保険制度について、現場の医師の半数が維持できないと考えているそうです。

人手不足もそうですが、お金がない、つまり国家財政の逼迫が、医療制度を直撃します。

皆保険制度維持のために考えられるのは、保険料増、窓口自己負担額増、および増税(おそらく消費税)ですが、これらは国民の負担感が増し、選挙を意識する政治家にとっては踏み込めない領域のようで、年金制度改革と一緒で、おそらくは抜本的改革は進まないでしょう。

国民負担増なしで皆保険制度を維持させるには、医療給付費を抑えるしかありません。

医療給付費抑制は医療機関経営を圧迫します。2025年問題は、医療機関の倒産が増えるという側面もあるのです。

皆保険制度維持のために国民負担増、現存する医療機関の淘汰、さらには外資による日本医療法人M&Aというのも考えられます。

さらに、医療制度維持のために制度そのものの縮小、つまり、保険適応の対象範囲を縮小することも考えられます。

医療制度の未来像の詳しいことは、別の項目で記事を書いていますので、そちらもご参照ください。(年金制度よりも「医療制度」の方が深刻 医師の半数が「国民皆保険」を維持できないとの考えを持っている現状とは)

1/3ページ

最終更新:9/18(月) 8:01
マネーの達人