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マンボウ、最弱伝説より衝撃「骨格の謎」 お腹スカスカ! 尾びれもない! 簡単にいうと「進化したフグ」

9/24(日) 7:00配信

withnews

 ネット上で定期的に出現するマンボウ談義ですが、その中でも衝撃的だと話題になるのが「マンボウの骨格」。お腹や背中まわりには骨がなく、いわゆる普通の魚の尾びれがありません。「弱そう」「実在する動物と思えない」「鳥っぽい」、さまざまなコメントが集まります。どうしてこんな骨格なのでしょうか? 魚類の骨格に詳しい専門家に聞いてみました。

【写真でもっと】どうしてこうなった?マンボウの骨格 「実在する動物と思えない」その姿をじっくり

マンボウを探して

 訪ねたのは、国立科学博物館の筑波研究施設。国立科学博物館といえば上野、ですが、動物や地学などの研究部や標本・資料を収蔵する施設がつくば市にあるのです。

 マンボウを中身まで知りたい! 動物研究部・脊椎動物研究グループの研究主幹、篠原現人先生に、マンボウの骨格の謎について伺いました。

 マンボウとは、マンボウ科マンボウ属の魚類のことで、魚の体が半分なくなったような、不思議な形が特徴的です。

 日本や世界の幅広い地域に生息しており、水族館でも人気の魚なのですが、食べることもできます。以前、和歌山県の道の駅でマンボウの串焼きを食べたことがあるのですが、白身魚より弾力があって、鶏肉に近い感じがしました。

マンボウ、標本はあまりないそう

 成長すると3m近くにもなるというマンボウは、標本にするにはスペースも費用も必要で、あまり多くの標本は作られていないそうです。書籍の骨格図を紹介してもらいました。

 顔の周りに骨があるだけで、お腹や頭の後ろにはありません。上下に伸びた「ひれ」はまるで鳥の羽よう。

 いわゆる一般的な魚が持つ、後方に長細く伸びた「尾びれ」がないことも、不思議さをふくらまします。

 一体どうしてこんな姿になったのでしょうか。

マンボウの進化、フグから影響

 自然界の生物は、他の生物に食べられないように、さまざまな進化を遂げてきました。毒を持ったり、周囲と同化できる外見になったり、生き残るために時間をかけて姿を変えてきました。

 マンボウはマンボウ科マンボウ属と紹介しましたが、これは「フグ目」という上位の分類単位に属しています。マンボウは実はフグの仲間で、その中でも進化している魚なのです。

 簡単にいうとマンボウは「進化したフグ」。マンボウの骨格は、祖先であるフグの進化に大きく影響を受けていました。

 ではフグはどのように進化してきたのでしょうか?

 体の小さな魚は、口の大きな魚に「丸のみ」という形で捕食されてしまいます。

 丸のみされないために、フグは捕食者の口よりも大きくなれるように進化を遂げます。そう、水を吸い込んで自分の体をふくらます能力を得たのです。

 この時、ポイントになるのは骨です。骨があるとふくらむ時に邪魔なため、フグには腹びれやそれを支える骨など、お腹まわりには骨がありません。

 篠原先生は「マンボウは『体が大きく成長する』という才能を持ったため、ふくらむ必要はありません。しかし骨格はフグの姿を受け継いで、お腹まわりには骨がないのです」と説明します。

 マンボウのお腹には内臓、背中には筋肉が詰まっているのですが、骨がないとその部位がなんだか弱そうです。

 「マンボウは皮膚が強くはありません。特別硬いウロコやトゲなど、武器を持っている訳ではないので、かじられたりするのには弱いかもしれません。ただし、生き残るため、丸のみされないように進化したことの方が重要だとみています」

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最終更新:9/26(火) 11:39
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