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“小田急火災“なぜ燃える現場に車両は止まったのか?専門家「ヒューマンエラーを責めない文化作りを」

2017/9/23(土) 8:17配信

AbemaTIMES

(C)AbemaTV

 今月10日に起きた、小田急線の線路脇で起きた火災が車両に燃え移るという衝撃的な出来事。幸い、ケガ人は出なかったが、大惨事にもつながりかねなかった今回の事故。運転士はなぜ、火災現場を通り抜けることができなかったのだろうか。AbemaTV『AbemaPrime』で検証した。

 当初、電車は最寄りの踏切で非常停止ボタンが押されたため、自動的に踏切から約23m手前で緊急停止。運転士はマニュアルに従い、異常確認のため踏切まで移動。そして電車に戻る時に、線路脇の建物から火が出ていることに気づき、運行を指揮する司令所に「踏切に異常はないが、沿線に火災がある」と報告した。

 8分後、電車に戻った運転士は現場から離れようと運行を再開。しかしその間に、炎が電車に燃え移ってしまった。そこに駆けつけてきた消防士が「運転士!開けろ!電車に火が移った!逃せ!」という叫び声を上げて停車を指示。この時点で最初に停車した場所から約123m進んでいたが、最後尾車両は火災現場を抜けきれず依然として煙に包まれていた。しかし、停車の指示があったためその場からは動けず、結局その場で乗客の避難誘導を先頭と最後尾の2箇所で行い、30分かけて完了したという。

 事故当時の映像には、炎や黒い煙が電車を覆うように迫る様子が記録されており、「嘘でしょ?そんなところに止まっちゃダメ」と叫ぶ撮影者の声も確認することもできる。乗客は当時の様子について「いきなり停車して停止信号かと思ったら、後ろの方から『わー!』と声が聞こえて見たら煙が出ていた。すごいパニックな感じで不安で」「避難指示自体が5分か10分くらい経った後に『最後尾の方に移動してください』と。でも、最後尾でも火がついている状態でどうするの」と振り返る。

 小田急電鉄のマニュアルでは、踏切の非常ボタンが押されて停車した場合、運転士は「押された踏切まで行って安全確認をし、安全が確認できたら現場で解除」「司令所に連絡し、許可を得てから発進する」と定められている。また、沿線火災時には「その場の状況で、最も安全な対応をするように」とあり、運転士の裁量に事実上任せている部分もある。

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最終更新:2017/9/23(土) 8:17
AbemaTIMES