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「子どもは静かに溺れます」医師が注意喚起

2017/9/29(金) 12:00配信

BuzzFeed Japan

幼い子どもが命を落とす「不慮の事故」のなかで、交通事故や窒息と並んで高い割合を占める「溺水」。子どもが溺れる際の状況について、長野県佐久市の小児科医たちが注意を呼びかけたツイートが話題を呼んでいる。【BuzzFeed Japan / 伊吹早織】

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共感の声「自分の娘がそうなったら…」

注意喚起をしたのは、佐久総合病院の医師たちが中心となり、子どもの病気やホームケア、子育て支援情報などについて発信している「教えて!ドクタープロジェクト」。

ツイートでは、子どもが溺れた際にバシャバシャと音を立ててもがくのは「映画の世界だけ」で、実際には自分が溺れているという状況を理解できず、声も出せずに「静かに沈みます」と指摘。溺れても物音で気付くだろうと安心して目を離すのではなく、常に見守る必要があると呼びかけた。

投稿は2万件近くリツイートされ(9月29日現在)、実際にこうした状況を経験したことがある親などから「あの時の光景は忘れることができません」「静かに沈むなんて思いもよりませんでした」「自分の娘がそうなったら…とゾッとして震えました」などと多くの声が寄せられた。

医師も経験「パッと見たらもう浮いていた」

「偉そうなことを言っていますが、実は私も経験したことがあるんです」。BuzzFeed Newsの取材にそう話すのは、同プロジェクトのリーダーを務める坂本昌彦医師。それは、いつものように1歳3カ月の息子と一緒に風呂に入り、先に自分が脱衣所に出たときだった。

「そのとき、息子は浴槽のふちにつかまってジョウロで遊んでいました。そこまでは見てたんです。遊んでるなーと思って脱衣所に出て体を拭き始めて、チャプチャプと息子が遊ぶ音もしていたのですが、15秒か20秒後くらいにパッと見たらもう浮いていたんですよね。仰向けで、目を見開いてこっちを見ているような状況で」。すぐに風呂から引き上げ、息子は無事だったが、やはりバシャバシャともがくような音はしなかった。

「まず、バシャバシャと水しぶきをあげるためには、相当な割合で体が水から出ている必要があります。それに加えて、赤ちゃんたちの場合は、溺れても自分がどういう状況なのか理解できていないので、頭の中が『?』のまま、もがくこともなく沈んでいくのだと思います」

坂本さんによると、こうした反応は「本能的溺水反応(instinctive drowning response)」と呼ばれ、日本の医学界でもあまり広く知られていないという。坂本さん自身もアメリカ・シアトルの小児科医の著書で知り、より多くの人に知らせたいと今回の注意喚起に至った。

「溺水は本当に命に関わります。『音が聞こえていれば溺れることはない』というのは違うんだよ、『子どもは静かに沈むんだよ』ということは、どれだけ強調しても強調しすぎということはないと思います」

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最終更新:2017/9/29(金) 20:25
BuzzFeed Japan

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