ここから本文です

アマゾンの「1-Click注文」特許失効は、ECサイトやベンダーの新たなビジネスチャンス?

10/5(木) 7:01配信

ネットショップ担当者フォーラム

ネット通販でのワンクリック注文は近い将来、一般的に普及するでしょう。小売事業者が運営するECサイト向けにさまざまなベンダーがワンクリック注文ツールを開発しています。しかし、消費者が利用できるようになるのは少し先のようです。

 

1-Click注文は当たり前の機能になる

Amazon(アマゾン)は、利用客の支払い情報と配送情報を管理し、ワンクリックで買い物できる技術の特許を取得していました。インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社 2017年版」で第1位のアマゾンは、1997年以降、ワンクッリック注文サービスを提供。2000年にはアップル(「全米EC事業 トップ500社 2017年版」第2位)と同サービスのライセンス契約を結び、非公開価格で提供していました。これまで、この2社がワンクリック注文サービスを提供してきたのです。

アマゾンのワンクリック注文の技術特許は9月12日に失効。そのため、多くの小売事業者が同サービスを消費者に提供できるようになるでしょう。

┌──────────
アマゾンのワンクリック注文は、マーケットプレイスでは特に有利で、常に一貫性のあるスムーズなユーザーエクスペリエンスを提供していました。
└──────────

ECのソフトウェアプロバイダーBigCommerce社のチーフプロダクトオフィサーであるジミー・デュヴァル氏はこう話します。

ワンクリック注文の特許期限が切れたことで、他のプラットフォーム提供者企業は迅速にワンクリック注文を開発。やがてワンクリック注文の技術は競争優位性を失い、消費者が頻繁に利用するツールに変わっていくだろうと専門家は指摘します。

ECプラットフォーム「Magento」のMagento Commerce社とBigCommerce社は、「全米EC事業 トップ1000社データベース」にランクインしている211の小売事業者にECプラットフォームを提供しています。

両社は近い将来、提供しているプラットフォームにワンクリック注文機能を追加すると述べています。BigCommerce社の広報担当者は、2018年の年初にはワンクリック機能を利用できるようになると話します。Magento社の戦略担当副社長であるピーター・シェルドン氏は、12月初旬の新プラットフォームリリースの際、ワンクリック注文機能を組み込むと説明しています。

現在、Magento社の研究開発チームが検証しているワンクリック注文ツールは、WebサービスプロバイダーのCreatuity社によって開発されました。Creatuity社のジョシュア・ウォーレンCEOは2017年春、アマゾンのワンクリック特許期限切れについて言及した記事を見つけ、チームのソフトウェアアーキテクトと協力してワンクリック注文機能の開発を始めたそうです。ウォーレン氏はこう言います。

┌──────────
Magento社のプラットフォームでは、多数のテストケースと自動テストプロセスを設定できた。十分なテストを行うことができました。
└──────────

テスト終了後、ウォーレン氏と彼のチームは、オープンソースのコミュニティを通じてMagento社にワンクリック注文用のコードを提供しました。ウォーレン氏は、Creatuity社はエンタープライズソリューションパートナーとしてMagento社と複数のビジネスを行っているものの、ワンクリック注文用のコード開発では利益を得ていないと語りました。

時計メーカーShinola社(全米EC事業 トップ1000社で349位)のEC担当ディレクターであるデニス・コピッツ氏は、Magento社からワンクリック注文についてのアナウンスはないものの、ワンクリック注文ツールを歓迎すると話します。Magento社のクライアントであるShinola社は、ワンクリック注文が導入されれば恩恵を受けることができると言います。

┌──────────
私たちの経験では、消費者は商品購入の前に平均約12回もサイトを訪れます。そのため、購入に至る最後のセッションはとても短い。買いたいものが決まっている時などのシーンで、ワンクリックを用いてチェックアウトできるのは大変重要なことです
└──────────

ワンクリック注文についてコピッツ氏はこう言います。ただ、ワンクリック注文のオプションを持つことがShinola社にとっていかに価値があるかについては言及しませんでした。

アマゾンの顧客基盤はとても大きいため、消費者はワンクリック注文に慣れてきているとコピッツ氏は考えます。また、Shinola社のECサイトにワンクリック注文機能を組み込むことで、長期的には利用客に利益がもたらされると話します。コピック氏はこう言います。

┌──────────
私たちは特に、モバイルにおけるスムーズなチェックアウト方法を常に模索しています。ワンクリック注文によって、ユーザーがより楽に買い物ができるようになることを願っています。
└──────────

 

1/2ページ