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準天頂軌道衛星「みちびき」ってどんな衛星? GPSとどう違うの?

10/8(日) 13:30配信

THE PAGE

 準天頂軌道衛星「みちびき4号機」の打ち上げが10日に予定されています。これまでに3機が打ち上げられており、成功すれば、2018年度からは静止衛星1機を含む4機体制で測位システム「みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)」が本格的に運用される予定です。日本版GPSとも言われるこの「みちびき」、従来のGPSの弱点を補うとともに、さらに高精度な測位も可能なシステムです。

私たちが使っているGPSってどういうもの?

 私たちがふだん、カーナビゲーションシステムなどで現在位置の測定に使っているGPS(Global Positioning System)は、米国防総省が運用する測位システムです。地球上のほぼすべての場所が測位できるよう、9月末現在で31機(運用中断中の1機を含む)のGPS衛星が地球の上をまわっています。

 便利なGPSですが、たとえば、ビルに囲まれた都会の道路でカーナビの地図を見ると、自分たちが実際にいる位置とは離れた場所にいるかのように表示されていた、ということもあるでしょう。このようにGPSには、測位する場所によって誤差が大きくなるという課題があります。

 測位するには、最低でもGPS衛星4機の電波が必要なので、地上に高い建物や山があると、GPS衛星からの電波はさえぎられるなどして、3機以下になると測位不能になります。

 たとえ反射された電波が受信側に届いたとしても、GPS衛星から直接届くよりも時間がかかってしまいます。GPSの測位には、衛星と受信機側との距離を用いますが、実際よりも電波の到達時間が長くなると、受信側は衛星との距離の長さを勘違いして計算してしまい、誤差が生じるのです。誤差の発生原因は、ほかにも電離層による電波遅延などがあり、これらを含めてGPSの測位誤差は10メートル程度生じるそうです。

みちびきとGPSはどう違うの?

 「みちびき」は、GPSとの連携運用によってこのような測位誤差を改善すると期待されています。「みちびき」には、国土地理院の電子基準点の活用などによりGPSの誤差を修正する機能があり、測位誤差をGPS単独使用時の10メートルから、数センチメートル程度にまで高められるそうです。

 そのポイントは、「準天頂軌道衛星」の活用にあります。

 「天頂」とは「観測者の真上」を意味する言葉ですが、この場合は「日本の上空」を指します。「準」がつくのは「ほぼ」という意味です。準天頂軌道衛星は、日本のほぼ真上と、オーストラリアを含む南半球を8の字の軌道を描きながら1日で1周します。日本上空には、1機につき1日8時間滞在。3機で24時間カバーする計画です。

 日本上空にある時、準天頂軌道衛星はほぼ真上から電波を発信しますので、地上の建物や山に電波がさえぎられたり、反射したりしにくい、というメリットがあります。GPS単独で利用していた従来よりも、電波を受信できる衛星が増えますので測位の精度が増すほか測定不能に陥るケースが減り、電波を直接受信側に届けられる可能性も高くなりますので誤差を小さくできるというわけです。

(取材・文:具志堅浩二)

最終更新:10/13(金) 5:47
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