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ボッディのように……環境さえ整えばネパールの路上生活から抜け出せる

10/9(月) 14:20配信

THE PAGE

 ネパールの首都カトマンズにあるダルバール広場。古いチベット仏教建造物の並ぶこの一角は、人気の観光名所でもある。2009年、僕が初めてストリート・チルドレンと遭遇したのがこの広場だった。

フォトジャーナル<ネパールのストリートチルドレン>- 高橋邦典 第50回

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 成長し、もう「青年」といえる年頃になったボッディ。気の合う同じ年頃の仲間たち数人と、相変わらずダルバール広場の隣にある公園で寝泊まりしていた。変わったのは、不定期ながらも、結婚式やイベントでの配膳や皿洗いの日雇い仕事をするようになっていたことだ。

 週に何度か、朝7時に斡旋所に出向き、運良く仕事が入れば日当350ルピー(約400円)を稼ぐ。食事は支給されるから、その日は空腹にあえぐ心配はない。ボッディが、特に稼ぎのいいわけでもないこんな「堅気」の仕事をすることに少し驚いたが、彼はこう言った。

 「他に雇ってくれるようなところもないしなあ。そんなにきつい仕事じゃない。玉ねぎや野菜切ったりするのは苦手だけど」

 そういえば以前リサイクル場で、他の子供たちがだらだらとタバコをふかしている間に、ボッディだけが真面目にボトルの仕分けをしている姿に感心したことがあった。彼に物をねだられたり、媚びられた記憶もない。ひょっとすると、目的さえ定まれば働くことを厭わない真面目な性格の持ち主なのかもしれない。

 ストリートに投げ出された子供たちは多種多様。どうにも手がつけられないほど荒んでしまった子供に出会うこともあるが、多くは環境さえ整えば、立ち直ることはできるはずだった。子供たちの性格を見極め、長所を伸ばしながら辛抱強く支えていける人材が、圧倒的に足りないだけなのだ。

(2016年3月撮影)

※この記事はフォトジャーナル<ネパールのストリートチルドレン>- 高橋邦典 第50回」の一部を抜粋したものです。

最終更新:10/14(土) 5:49
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